所在地・・・市博物館寄託(悟真寺は 妙見町2464)
中宮山悟真寺は、南北朝時代に懐良親王の菩提を弔うため創建されたと伝えられます。
大原孚芳和尚を開山とする曹洞宗寺院で、寺名は親王の法名「悟真大禅定門」に由来します。
創建の年代については、元中7年(1390)説の他に諸説があり、定かではありません。
雲版とは、禅宗、特に曹洞宗特有の法具で、銅または鉄で鋳造され輪郭を雲形につくるところからこの名があります。
用途は起床の合図、座禅の区切りの合図、食事の合図など様々です。
この雲版は銅製で、複弁八葉蓮華文の撞座を有します。表面の陰刻銘によれば、悟真寺の永谷庵のために応永30年(1423)に造られたことがわかります。
永谷庵は松球磨(現在の八代市坂本町)の中津道にあった悟真寺の末寺で、開基は大方周和尚と伝えられています。大方周和尚は、悟真寺五代輪住を務めた僧でもあります。
銅製 鋳造
【銘文】
中央部に陰刻銘
「永谷庵常住
肥州八代悟真寺
時應永三十年癸未十月吉日」 ※「時」は実際は古字の「時」
※応永30年の干支は癸卯で癸未は誤刻
名称・・・・・・・・・悟真寺の雲版(ごしんじのうんばん)
指定ランク・・・・県指定重要文化財
種別・・・・・・・・・有形文化財・工芸
指定年月日・・・平成8年7月17日
法量・・・・・・・・・縦50.5cm 横47.8cm 縁厚1.5cm
制作年・時代・・1423(応永30)年・室町時代
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