所在地・・・泉町柿迫5535 釈迦院
男神像五躯と女神像二躯があり、像底の墨書銘から、僧勝西・念西らが勧進者となり、仏師僧長實がこれらの神像を彫り、仁治3年(1242)7月16日に完成したらしいことがわかります。
像容は、神像特有のシンプルな姿で体部は細目ですが、頭部は大きく張りがあり、厳しい表情をしています。
いずれも頭・体幹部を一材から丸彫りし、膝前に横一材を寄せていますが、その寄せ方は、腹下部を少し水平に切り込み装着する特異な技法です。
この技法は、同院の弉善大師坐像にもみられ、同時期・同一仏師によるものと思われます。
銘文に見える念西は、球磨郡湯前町城泉寺の七重・九重・十三重(現在八代・米家蔵)塔の銘文にもその名が見え(寛喜元年・1230)、同一人物かどうか不明ながら興味をひきます。
本神像群は、彫刻的にも優れ、鎌倉時代中期の在銘神像として貴重です。
桧材 一木造 彫眼 彩色(後補)
【銘文】
僧形神像 像底墨書銘
「山王 壹宮
勧進金剛佛子勝西
仁治三年歳次壬寅七月十六日日次丙申
奉作之 佛師僧長實」
像形神像 像底墨書銘
「釈迦院
山王二宮御岳跡形像
右志者為山上泰平諸僧法楽
佛法繁昌庄中安穏五穀豊穣
乃至法界平等利益仍注之
仁治三年壬寅七月十六日
勧進金剛弟子念西
佛師僧長實」
名称・・・・・・・・・木造男女神坐像(もくぞうだんじょしんざぞう)
指定ランク・・・・県指定
種別・・・・・・・・・重要文化財・彫刻
指定年月日・・・昭和62年11月12日
法量・・・・・・・・・像高 36.8cm〜38.0cm
制作年・時代・・1242(仁治3)年・鎌倉時代
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