備前には鎌倉時代に多くの名工が輩出した。雲生は鎌倉時代後期に備前国(岡山県東南部)津高郡宇甘(うかい)で活躍した刀工で、同派には雲次、雲重など名前に「雲」を冠する刀工がいる。
雲生は、雲次とともに京に出て鍛刀の技を学んだといい、備前の長船派とは作風を異にし、むしろ山城国の来派や隣国備中国の青江派の影響が強い。
この刀は、中鋒で反りが深く、地鉄がよく練れて小板目の肌がきめ細やかで、刃文が直刃であることから、、無銘ながら雲生の作と考えられる。
【品質形状】鎬造 庵棟 中鋒 鍛は小板目つむ 少し映りごころ 刃文は直刃浅く湾れて互の目交じる 帽子は乱れ込みごころに先小丸 大磨上
【掲載図録】『もののふの美と心』(平成26年 八代市立博物館)
名 称 刀 無銘伝雲生(かたな むめい でんうんしょう)
指 定 国指定重要文化財
種 別 有形文化財(工芸)
指定年月日 昭和31年6月28日
法 量 長さ74.7cm 反り2.4cm
制作年・時代 14世紀 鎌倉時代
所 蔵 一般財団法人松井文庫
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