この刀は、平安時代後期の備前国(現在の岡山県東南部)の刀工「正恒」の作。当時は、刀身が長く馬上戦に適した太刀が主流であったが、時代が下って地上戦に適した刀が主流になると、多くの太刀は短く磨上げられた。本作も後世に磨上げられたものだが、貴重な銘文を折り返して茎に嵌め込んでいる。
ほっそりとした刀身にゆるやかに乱れる刃文、平安時代後期の穏やかな作風が魅力である。
【品質形状】鎬造 庵棟 小鋒 鍛は小板目肌つみ地沸つき地景入る 刃文は小沸深い直刃ごころに小乱れ刃交じり足入る葉入る 帽子は小丸 大磨上
【掲載図録】『もののふの美と心』(平成26年 八代市立博物館)
名 称 刀 折返銘 正恒(かたな おりかえしめい まさつね) 重要美術品
種 別 有形文化財(工芸)
指定年月日 昭和17年12月16日
法 量 長さ66.2cm 反り1.6cm
制作年・時代 12世紀 平安時代後期
所 蔵 一般財団法人松井文庫
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