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階下釈迦堂の木造阿弥陀如来坐像(県指定)

最終更新日:

 

所在地・・・西宮町階下公民館
木造阿弥陀如来坐像(宮地).bmp
 本像(像高87.8㎝、桧【ひのき】材、寄木造【よせぎづくり】)は、江戸時代、妙見宮(現・八代神社)境内にあった本地堂(ほんじどう)に祀(まつ)られていたものと伝えられ、明治の神仏分離令(しんぶつぶんりれい)によって、当地へ移されました。
 亀形の台座(だいざ)に乗っためずらしい姿で、妙見の神が、「亀蛇(きだ)」に乗って海を渡ってきたという伝承に関連すると考えられ、神と仏は本来同じものと考える神仏習合(しんぶつしゅうごう)のありようを物語る貴重な作例です。均整(きんせい)のとれた温雅(おんが)な姿は、平安彫刻の特徴を備えていますが、玉眼(ぎょくがん)、差首(さしくび)であることなどから、洗練された都の仏師による江戸時代の作と考えられます。ただし、亀蛇の台座のほうが、制作年代は古いようです。
 この場所は、戦国時代に栄えた正法寺(しょうほうじ)という寺院の跡で、建物の礎石(そせき)が残っています。正法寺の本尊(ほんぞん)釈迦如来坐像(しゃかにょらいざぞう【室町時代】)を祀ることから、現在は釈迦堂(しゃかどう)と呼ばれています。ここでは天文(てんぶん)16年(1547)10月に相良晴広(さがらはるひろ)が連歌(れんが)の会を催し、また、天正(てんしょう)14年(1586)9月には島津義久(しまづよしひさ)・義弘(よしひろ)が能(のう)・狂言(きょうげん)を見物した記録があります。また、境内(けいだい)に残る井戸は、階下(かいげ)井戸または正法寺井戸と呼ばれ、茶人細川忠興(ほそかわただおき【=三斎】)が八代城在城時、茶の湯に愛用した名水と伝えられています。


名称・・・・・・・木造阿弥陀如来坐像(もくぞうあみだにょらいざぞう)
指定ランク・・・・県指定
種別・・・・・・・重要文化財・彫刻
指定年月日・・・・昭和36年11月21日


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