所在地・・・興善寺町明言院

毘沙門天は、護法神のひとつで、四天王ないし十二天のうちの北方の守護神です。
右手に宝棒、左手に宝塔を捧げ持つ形で表わされるのが一般的です。
本像は、樟の一木造で、両手先を欠失しているものの、盛り上がる面相、単純ななかにも豊かに整えられた胸甲、腹甲、裳、袴等に制作当初の面影を十分にとらえることができ、11世紀ごろの作例であろうと考えられています。
明言院一帯は、奈良時代末から平安時代の寺院(興善寺)跡で、発掘調査により、講堂に向かって、右に塔、左に金堂を配す法起寺式の伽藍配置であることがわかっています。
また同時に、奈良時代後期から、平安時代中期にかけての布目瓦も発見されています。しかし、興善寺は、平安時代末には焼亡したと推定され、本像は、興善寺の唯一の遺品と考えられるものです。
名称・・・・・・・・・木造毘沙門天立像(もくぞうびしゃもんてんりゅうぞう)
指定ランク・・・・国指定重要文化財
種別・・・・・・・・・重要文化財・彫刻
指定年月日・・・明治39年4月14日
法量・・・・・・・・・身高 142.4cm
制作年・時代・・平安時代後期
連絡先・・・・・・・TEL0965-39-0050(明言院)
拝観料・・・・・・・200円
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