所在地・・・八代市北の丸町3-15
八代城代・松井直之(まついなおゆき)が、母崇芳院尼(すうほういんに)のために元禄(げんろく)元年(1688)に建てた御茶屋です。
古くからの砂浜堤防内の沼地を取り込み、球磨川から導水して庭園とした立地で、浜堤(ひんてい)には松林が連なり、八代海・宇土半島・さらには雲仙を望む雄大な眺望の庭園でした。
伸びやかな池には配石が見られ、西寄りの赤所ヶ池(あかじょがいけ)周辺にも石組みが施された景色を見ることができます。また、西寄りの茶庭に繋がる池に八ツ池が架けられており、絵画の画題を想起させる奥行きのある造りです。池の東側に見える中島の一部には、桂離宮天橋立(かつらりきゅうあまのはしだて)の景色に似た州浜部(すはまぶ)が見事に造形されています。雄大な海と遥かな山岳の景色を取り込んだ意匠を持つ、江戸時代後期の大名庭園として貴重です。
現在では都市化が進み雄大な眺望をのぞむことはできませんが、大名庭園として変化に富んだ景色を構成しており江戸時代初期の形状をよく今に伝えています。5月の下旬から6月の初旬には、肥後六花の一つである肥後菖蒲(ひごしょうぶ)を見ることができます。
名称・・・・・・・・・旧熊本藩八代城主浜御茶屋(松浜軒)庭園(きゅうくまもとはんやつしろじょうしゅはまおちゃや(しょうひんけん)ていえん)
指定ランク・・・・・・国指定名勝
種別・・・・・・・・・記念物・名勝
指定年月日・・・・・・平成14(2002)年12月19日
開園時間・・・・・・・9時00分〜17時00分(入園は16時30分まで)
閉園日・・・・・・・・月曜日、お盆、年末年始
入園料・・・・・・・・一般500円、小・中学生250円
※開園時間、閉園日、入園料等に関するお問い合わせは下記連絡先までお願いいたします。