集落の入り口などにワラ製の長い一本綱を張り、ワラ製の人形や履物、農具などのワラ細工を吊るすもので、集落を流れる川を挟んで張られる場合が多く、七夕様(牽牛・織女)が綱を伝わって会う、集落内に悪霊や疫病が侵入するのを防ぐ、盆の精霊が綱を渡ってやってくるなどの伝承があります。
かつては熊本県南部において、30ヶ所以上の地域で行われていましたが、現在は八代市坂本町の木々子(きぎす)、芦北町の上原、岩屋川内、下白木、祝坂の5つの地域で伝承されるのみとなっています。
木々子地区では、8月6日の朝から地区の人たちが集落の高台にある地蔵堂に集まり、綱や綱に吊り下げるワラ細工の製作を行います。30メートルほどの綱を綯うとともに、ワラジ、牛の沓、七夕様の人形を乗せた船、タコ、扇、鶴、亀、タマゴなどを製作します。これらが完成すると、綱に吊るし、中谷橋を挟んで空高く張り渡します。
綱は旧暦の八朔の頃まで、そのままの状態で張り続けられ、下ろした後は、かつては中谷川に流していたそうですが、現在は焼却しているそうです。

綱や細工物をワラで製作

できあがった細工物を綱に吊します。

集落を流れる川の両端に張ります。

完成!8月6日昼ごろから8月いっぱい見ることができます。