飾馬は花馬とも呼ばれ、勇壮な馬追いで妙見祭を盛り上げます。江戸時代は、八代城御城付(八代城警備のために熊本から派遣された細川氏の家臣)や松井氏の家臣たちが12頭を出していましたが、のちに八代郡(御郡奉行の支配下)に割り当てられるようになりました。江戸時代に描かれた祭礼絵巻を見ると、頭飾りや松井家の家紋付の馬具をつけた馬に、妙見宮の神人がまたがり、疾走させている様子が描かれています。
明治時代から戦前まで、八代神社の氏子の村から出されていましたが、現在では、有志の方々により奉納されています。行列での順番は、祭礼当日の早朝、御旅所となっている塩屋八幡宮で抽選によって決められます。
文化8年(1811)10月の記録※によれば、馬を出す村方より、11日に八代城内の馬屋で行われる馬揃い(馬の検分、現在は11月11日に八代神社で行われる)で馬の順番を決めているが、末番になったものから不満が出ることもあるので、妙見宮で神籤(みくじ)によって決めてほしいという願いが郡奉行から八代町奉行へ出されています。
これに対し、町奉行は、長年行ってきた城内での馬揃いのしきたりを変えることはできないので、願い通りにはいかないが、籤で順番を決めるのはもっともなので、祭礼当日の朝、籤で決めることにする旨、郡奉行へ返答しています。
馬の順番を決めるならわしにも歴史があります。
※『妙見一山』(「八代市史近世史料編(10)」所収 平成14年 八代市教育委員会発行)
指定区分・・・・市指定
指定種別・・・・無形民俗文化財
指定年月日・・・昭和34年9月20日
公開日・・・・・11月11日(飾馬揃い、八代神社)
11月23日(妙見祭の神幸行事)
保護団体・・・・飾馬保存会