所在地・・・円光院跡地蔵堂(八代市古麓町1079)
八代市古麓町の延命地蔵堂にある地蔵菩薩は、右足を組み、左足を下ろした半跏像です。このような姿の地蔵菩薩を延命地蔵といいますが、これは日本で作られた経典『延命地蔵経』に基づくもので、特に幼児の延命・利益を祈願する仏として信仰されました。
本像は桧材の寄木造ですが、後世の修理のため構造を確認することができません。顔立ちのはっきりした面相をもち、体躰はボリューム感があり、袈裟の衣文も深々と彫られています。しかし、彫り口にやや硬直したところがみられ、鎌倉時代も後期(14世紀)の作と思われます。本像が、元来いずれの寺院に安置されていたのか不明ですが、中世の地蔵菩薩として貴重な作例です。
【出典】 『みほとけの貌−熊本県南部の仏像−』 2009 八代市立博物館
名称・・・木造延命地蔵菩薩半跏像(もくぞうえんめいじぞうぼさつはんかぞう)
指定・・・市指定有形文化財
種別・・・有形文化財(彫刻)
指定年月日・・・昭和59年6月8日
法量・・・像高 170cm
制作年・時代・・・鎌倉時代
所蔵・・・延命地蔵堂
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