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2021.10.4市長メッセージ

最終更新日:

 台風16号につきましては、幸いなことに本州に上陸することもなく、大きな被害もありませんでした。暦の上では、「秋本番」でありますが、厳しい残暑が続いておりますし、本年は台風シーズンも長引く可能性があると言われております。今後、台風が発生した際も、気象情報等に細心の注意を払いながら、迅速な対応を心掛けてまいります。

 初めに、3期目となります今後4年間の市政運営に対する、私の「所信の一端」を申し述べさせていただきます。

 去る8月29日執行の市長選挙におきまして、市民の皆様をはじめ、各方面からの力強いご支援とご厚情を賜り、三度、市政運営の重責を担わせていただくことになりました。これまでの2期8年間の実績に対する評価と今後の市政運営に対する期待、そして何よりも、「市政を決して後戻りさせることなく、安定と継続こそが八代の更なる発展には必要である」との訴えに対し、背中を押していただいたものと受け止めております。引き続き、市民の皆様の信頼と負託にお応えできるよう、「ふるさと八代」の更なる発展に向けて、尽力してまいります。

 振り返りますと、4年前、1期目と同様に、「市政の安定化」、「熊本の副都心づくり」、「地域経済の浮揚」を基本理念に掲げ、市長2期目に就任して以降も、全力で市政運営に取り組んでまいりました。そのような中、昨年から新型コロナウイルス感染症が世界中で猛威をふるい、本市におきましても、市民生活や地域経済に深刻な影響を与えるとともに、令和2年7月豪雨では、坂本町を中心に甚大な被害が発生しました。相次ぐ未曽有の事態の発生により、市政の停滞も懸念されましたが、市民の皆様はもちろんのこと、議員各位をはじめ、国や県など多くの皆様のお力添えをいただきながら、職員一丸となって対応した結果、安定した市政運営を進めることができましたことに、感謝を申し上げます。

 また、私が2期目の公約として掲げた政策につきましても、「児童生徒1人1台のタブレットパソコン整備」、「学校エアコンの設置」、「18歳までの医療費無料化」、「女子ハンドボール世界選手権など大規模スポーツ大会の誘致」、「八代民俗伝統芸能伝承館(お祭りでんでん館)の建設」、「防災行政情報通信システムの整備」、「新庁舎建設」など、多くの皆様のご支援とご協力により、様々な取組みが着実に実を結んでおります。

 一方で、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や大都市圏への人口集中などの社会構造の変化に加え、頻発する大規模自然災害など、年々深刻化する地域課題への対応が求められているところであります。
 それらの地域課題や多様化・複雑化する市民ニーズへの対応などに伴う業務量の増大に加え、人口減少による人材不足が進む中、市民サービスの維持・向上を図り、将来にわたり持続可能な行政運営を行っていくうえで、大きな転換期を迎えております。

 1期目、そして2期目におきましては、「新生八代」としてのまちづくりに向けて、各種政策を始動、加速させてきた結果、多くの政策が形となって見えてきております。そこで、これまでの2期8年間を「新生八代」のひと区切りとして捉え、3期目となる今回は、「魅力ある選ばれる八代」の実現や新たな課題の解決に向けた「挑戦」の時期と整理し、「未来への新たな挑戦」をテーマに掲げました。あわせて、新たに「坂本町の創造的復興」、「スマートシティの推進」、「地域経済の更なる浮揚」の3つを基本理念として掲げるとともに、今後4年間で重点的に取り組む基本政策を「未来を創る5つのビジョン」として、八代の更なる飛躍を目指してまいります。

 まず1つ目のビジョンは、「災害に強い豊かなまちの実現」であります。市の最優先課題として坂本町の創造的復興を推進するとともに、これまでの経験を踏まえ、あらゆる災害に強く、安心できる強靭なまちづくりを進めてまいります。具体的には、坂本町の創造的復興では、支所を含む住民生活に必要な施設の早期再建、医療提供体制の確保、災害公営住宅の整備と安全な住宅地の確保、坂本スマートインターチェンジの実現を目指します。
 また、災害に強いまちづくりに向けては、地域の防災活動の拠点となる「防災拠点施設」の整備や、学校体育館等へのエアコン設置など「地域の避難所」としての機能強化、災害に強い道路ネットワーク整備による国土強靭化の推進などのハード面に加え、自主防災組織との連携や登録防災士制度の推進などによる防災力の向上、早期避難への呼びかけを含む確実な防災情報の伝達や、命を守るマイタイムラインの普及など、ソフト面の体制強化も図ることとしております。
 2つ目のビジョンは、「次代を担う子どもの育成と安心な暮らしの創生」であります。お子様を安心して産み育てることができるよう、子育て支援の更なる拡充と、「生きる力」を育むための教育活動を充実させ、教育環境の整備を推進します。
 また、「人生100年時代」に向け、誰もが自分らしく暮らしていくための地域福祉の充実と、多様で柔軟な働き方や生きがいづくりを積極的に支援します。具体的には、次代を担うお子様の誕生を祝福し、健やかな成長を願うため、「出産祝い金制度」を創設するとともに、国の幼児教育・保育の無償化の対象となっていない0歳から2歳までの子どもたちの保育料についても、完全無償化を実施します。これにより、子育てに伴う負担軽減を図るとともに、「八代で子どもを産み、育てたい」という方を増やすことで、移住・定住が促進され、人口減少の歯止めも期待できると考えております。
 また、1人1台のタブレットパソコンの機能を効果的、かつ最大限に活用することで、「ICT教育日本一」と「学校情報化優良校」の認定率100%を目指します。あわせて、バリアフリー化の推進や衛生的な観点から、老朽化したトイレの改修と洋式化により、快適な教育環境の整備を推進します。加えて、高齢者や障がい者の皆様が自分らしく安心して暮らせるまちの実現や、子育てと仕事の両立支援による女性活躍の更なる推進、学び直し・キャリアアップを目指す方々のリカレント教育への支援なども行ってまいります。

 3つ目のビジョンは、「稼げる農林水産業の実現」であります。本市経済の活性化には、基幹産業である農業をはじめとする一次産業の振興が必要不可欠であり、農林水産業を将来にわたり、持続可能で稼げる産業へと成長させることが重要であると考えております。具体的には、先進技術の導入やデジタル化へチャレンジする人や企業への支援、6次産業化や地産地消推進のための施設整備に対する支援などを積極的に行うとともに、消費者に選ばれる新たな特産品の開発やスマートフォン用アプリなどを活用した販路拡大を支援することにより、生産者の所得向上を目指します。
 また、女性農業者を含む新たな担い手の確保・育成や、官民連携の全国プロモーション活動による八代産畳表の需要拡大にも、引き続き重点的に取り組んでまいります。さらには、本市漁業振興の原動力でもあり、令和2年7月豪雨により甚大な被害を受けたアサリ資源復活への取組みも推進します。

 4つ目のビジョンは、「地域の魅力とにぎわいの創出」であります。くまモンポート八代やお祭りでんでん館、日本遺産など魅力ある地域資源を最大限活用し、賑わいの創出や地域経済の活性化につなげます。
 また、八代に新たな活力を呼び込むために、誘致企業を強力にサポートするとともに、地域において挑戦する人と企業を積極的に応援し、若者にとっても魅力的なまちづくりを進めてまいります。具体的には、企業のニーズに応じた円滑な誘致を行うために、ワンストップで速やかに支援ができる体制を構築するとともに、補助金を含む様々な支援により、誘致企業を強力にサポートすることで、「人と企業に選ばれるまち」を目指します。
 また、SNS等を活用し、魅力ある観光コンテンツの情報発信力を強化すると同時に、新たなランドマークであります新庁舎やお祭りでんでん館をはじめ、周辺の歴史・文化施設から中心市街地に向けて人の流れを創出し、にぎわいのあるまちづくりを促進します。さらには、個人と企業の新たなチャレンジを後押しし、「やつしろ未来創造塾」による 未来を担う若手産業人材の育成、スポーツコミッションを核としたスポーツ大会・合宿の誘致、「八代・天草シーライン構想」や「物流拠点構想」の早期実現、「くまモンポート八代」の活用による地域経済の活性化などにも、引き続き全力で取り組んでまいります。

 最後に、5つ目のビジョンは、「持続可能な選ばれるまち“スマートシティやつしろ”の推進」であります。市民の皆様に信頼され、利用しやすい市役所づくりと、社会全体の潮流であるデジタル化の推進など、新たな取組みへ果敢に挑戦いたします。
 また、これまで取り組んできた地方創生の流れを止めることなく、地域資源の更なる磨き上げを行い、将来にわたり持続可能で魅力ある選ばれるまち“スマートシティやつしろ”を目指します。具体的には、まず、私の政治姿勢でもあります「市民の皆様との対話」を第一とした信頼される市政を行うため、市民の皆様から直接ご意見を伺う「市政懇談会」を開催します。今後も、あらゆる媒体を活用しながら、市民の皆様に寄り添った積極的な情報公開と透明性の確保に努め、「市政の見える化」の更なる推進を図ります。
 また、国が強力に推し進めている社会全体のデジタル化の動きに合わせて、AIやICTなどの先端技術を活用しながら、地域課題の解決を図るとともに、オンラインで行政サービスを受けられる利用しやすい「デジタル市役所」の構築を進めてまいります。さらには、移住・定住を促進するため、移住希望者のニーズにあった情報と八代の魅力発信や、八代市での暮らしを応援する「移住・定住促進補助金」の創設に加え、中心市街地を核としたワーケーション環境の整備による関係人口の創出を目指します。加えて、SDGsを強く意識しつつ、環境保全に配慮した持続可能な社会づくりを目指し、「2050年カーボンニュートラル」に向けた取組みを推進してまいります。

 また、5つのビジョンプラスワンとしまして、目下の重要課題である「新型コロナウイルス感染症への対応」につきましても、安全で円滑なワクチン接種をはじめ、感染拡大防止に関する周知啓発と迅速な情報提供、国や県と連携した市民生活や地域経済への影響の最小化、コロナ禍における教育活動の円滑な推進など、引き続き全力で取り組んでまいります。

 以上、申し上げました5つのビジョンと新型コロナへの対応につきましては、現在策定中の「第2次八代市総合計画第2期基本計画」の中で、重点戦略として位置づけ、着実に推進してまいります。

 3期目のテーマを「未来への新たな挑戦」とし、心機一転、新しいスタートとなるわけでありますが、私の市政に対する想いと情熱は、8年前の市長就任時から全く変わっておりません。
 全ての市民の皆様に、「八代に生まれてよかった」、「八代に住み続けたい」と思っていただけるまちづくりに向け、そして、誇るべき「ふるさと八代」を未来へつないでいくため、引き続き全身全霊を尽くしてまいりますので、議員各位をはじめ、市民の皆様のご支援ご協力をお願い申し上げまして、私の所信表明とさせていただきます。

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