八代農業塾は、八代農業高校と八代市が連携し、「農業に興味がある方」「農業を始めたい方」を対象に、農業体験や農業に関する知識を学ぶ場として開催しています。第6期は「生物多様性のある圃場で持続可能な農業を考える」をテーマに、水稲栽培に取り組んでいます。
12月6日(土曜日)、八代農業高校で第4回講座「講座:資金調達・新規就農」(延期分)を実施しました。今回の講座は前半と後半の2部構成とし、それぞれの視点から就農に必要な知識を学びました。
前半「講義:資金調達」
前半では、日本政策金融公庫 融資第二課 上席課長代理の畑尾 隼人 氏を講師に迎え、農業を始める前の事業計画や資金の調達方法について学びました。講義では、「もし皆さんが今から農業を始めるとしたら」という想定のもと、営農計画の策定についての話があり、営農計画は自身の理想や夢だけではなく、県が公表する農業経営指標など客観的データを参考に、実現性の高い内容で策定することが重要であるとの説明がありました。
また、新規就農者を対象に実施したアンケート調査によると、農業を「楽しそうだから」という理由のみで始めた結果、経営が続かないケースが多いという事例が紹介され、受講生にとって農業経営の現実を深く理解する貴重な機会となりました。さらに、国や県、市町村の各種補助制度や金融機関の融資制度についての説明もあり、安定した就農につなげるために何をすべきかという具体的なアドバイスも示されました。

日本政策金融公庫 畑尾 隼人 氏

後半「講義:新規就農」
後半では、八代農業塾第3期修了生で、アグロード二見代表の松永隆信 氏を講師に迎え、50代で農業を志した理由や、生まれ育った二見地区の課題にどのように向き合ってきたのか等について講話がありました。
「農業者の平均年齢は高く、皆さんはまだ若いです。今からでも農業を始めれば地域を守る力になれます。」という力強いメッセージがあり、松永氏が二見地区で実践している取り組みも紹介され、地域農業の可能性を具体的に学べる内容となりました。また、就農後の成功や苦労を率直に語っていただいたことで、受講生が自身の将来像をより現実的に考えるきっかけにもなりました。

アグロード二見代表 松永隆信 氏

次回について
次回はいよいよ最終講義となる第8回講座「実技:調理・加工」と閉講式を行います。これまで受講生が田植え・害虫防除・稲刈り・販売と関わってきた米を調理・加工し、閉講式では市長をはじめとする来賓の皆さまに試食していただく予定です。
半年間という短い期間でしたが、計7回の講座で学んだことを振り返り、最終講義に臨んでいただきたいと思います。
主催
八代市担い手育成総合支援協議会(八代市農林水産政策課内)