「鉄道がつないだご縁と家族への想い」~肥薩おれんじ鉄道 中居靖幸さんが語る八代での暮らし~ 最終更新日:2025年11月18日 印刷 移住者プロフィール氏 名: 中居 靖幸さん(40代)職業: 肥薩おれんじ鉄道(株) 運転士兼指令員移住時期:2013年移住前の居住地: 神奈川県川崎市青く輝く海を背景に潮風を感じながら列車が走る肥薩おれんじ鉄道。その運転席には、にこやかな笑顔でハンドルを握る中居さんの姿があります。今回は、2013年4月に神奈川県川崎市から八代市へ移住され、運転士として働きながら、地域とのつながりを大切に暮らしていらっしゃる中居さんに、八代での暮らしや仕事、これからの夢について伺いました。 現在のお仕事について教えてください。東京では東急電鉄で駅係員・車掌・運転士をしていました。その経験を生かして、現在は肥薩おれんじ鉄道で運転士として働いています。私の仕事は、お客様を安全かつ快適に目的地までお届けすること、そして、地域の皆様の暮らしを支える大切な役割があり、やりがいを感じています。異常時対応や信号確認など、一瞬の判断が求められる職務ですが、毎月の訓練や定期的な筆記試験を通して、常に安全意識を高めています。列車は、それぞれ「加速が鈍い」「ブレーキが鋭い」など個性があり、まるで“生き物” なんです。また季節や時間帯によって列車から見える景色も変わり、一日として同じ眺めはないので、その瞬間を楽しんでいます。地元の高校生や通勤客の方々、観光で訪れるお客様の『ありがとう』の一言が何よりの励みであり、この仕事ならではの魅力です。移住のきっかけについて教えてください。八代に住む妻と結婚し、私が住んでいた川崎市で一緒に暮らす予定だったのですが、妻と同居の義母が体調を崩して介護が必要になったことが大きな転機でした。出身地でもあり、実母のそばにいたいという妻の想いと、私もそれを支えていきたいという想いがきっかけとなりました。私自身、昔から旅行好きで、鉄道好きということもあり、学生時代から九州は何度も訪れていました。そんな中で「知らない土地で暮らすのも面白いかもしれない」と思うようになり、最終的に結婚と同時に八代への移住を決断しました。知らない土地に移住することに不安はなかったですか。全く不安はありませんでした。むしろ「八代市で暮らしてみたい」という気持ちの方が強かったです。もともと知らない土地で人と出会うのが好きでしたし、八代にも何度か来ていたので、ある程度の雰囲気は知っていました。実際に暮らしてみて、「ああ、来てよかったな」と心から思っています。今ではもう前居住地の川崎市よりも八代の方が落ち着きます。移住前の八代のイメージと移住後想定外だった点について教えてください。八代といえば「八代亜紀さんのふるさと」というイメージでしたね。その他、「みかんが有名」「歴史あるまち」という印象で、人情味があるというイメージを持っていました。また「台風が多いのでは」と思っていましたが実際はそれほど多くもなく、思っていたよりも過ごしやすく温暖な気候でした。海も内海なので波が静かで、子育て世代にとっても安心して暮らせる環境だと思います。 移住後に感じる八代の魅力についてお聞かせください。一番は“人のあたたかさ”です。地方によっては「よそ者を受け入れにくい」雰囲気があると聞きますが、八代は全くそんなことがありません。神奈川県から来た私でも自然に受け入れてもらえて、本当に住みやすいまちだと感じます。地域の方々とのつながりも深く、今では私と同じく他県から移住してきた方々とも交流があります。八代市の暮らしで気に入っている点を教えてください。自然が近くて、海も山もすぐそこにあることです。特に海沿いの景色が好きで、子どもたちとドライブをしたり、海辺でゆっくり過ごしたりします。魚や野菜などの食材もおいしく、近所の方や職場の上司から新鮮な野菜をいただくことも多いです。日常の買い物にも困らず、スーパーや商業施設も充実しています。暮らしやすく、子育て環境もとてもいいですね。休日の過ごし方について教えてください。子どもと一緒にドライブに行くのが楽しみです。自然が身近にあるので、海辺を散歩したり、家族で近くの公園などに出かけています。また八代からもアクセスしやすい熊本市内の動植物園、上天草市のシードーナツ、菊陽町の忍者パーク、エミナースのプール、イチゴ狩りなど、子どもたちのリクエストで休日を過ごすこともあります。時間の流れが穏やかで、仕事と暮らしのバランスがとりやすいのも八代の良さだと思います。 これからやってみたいこと、夢、将来の展望についてお聞かせください。肥薩おれんじ鉄道をもっと多くの人に知ってもらいたいです。現在、「ディーゼルガールズ」という公式キャラクターを活用し社内誌「おれんじ新聞」やSNS等の広報も手掛けながら、鉄道の魅力を発信しています。おかげでファンも増え、会社のPRの一つになりました。この「ディーゼルガールズ」を通じて現場の運転士が自ら情報発信を行い、親しみやすい鉄道会社として、ここ八代に「おれんじ鉄道」があることを、全国の皆様に知ってもらうことが私の夢です。これから移住を検討される方へメッセージをお願いします。八代の人は本当に温かく、誰でもすぐに受け入れてくれます。気候も穏やかで、自然も豊か、生活の利便性も高く、子育てにも最適な環境です。まずは一度、数日でもよいので八代に滞在してみてください。泊まって過ごすうちに、まちの良さ、人の優しさを感じてもらえると思います。鉄道を通じて地域とつながり、家族とともに日々を大切に暮らす中居さん。「知らない土地だった八代が、今では自分のふるさとになった」と話される笑顔が印象的でした。乗客や地域の方々、そして同僚からも慕われるその温かいお人柄が、鉄道にも、八代のまちにも優しい風を運んでくれます。あなたも、八代を訪れて、そのぬくもりに触れてみませんか。これからもおれんじ鉄道とともに、八代の魅力は走り続けます。肥薩おれんじ鉄道では、運転士をはじめ、電気、工務、車両などさまざまな職種の社員を募集中です。鉄道好きな方はもちろん、移住先で新たな仕事に挑戦してみたい方はぜひ、中居さんとともに働いてみませんか。 問合せ先:肥薩おれんじ鉄道(株) 〒866-0831 八代市萩原町1丁目1番1号 TEL 0965-32-5678