高齢者の帯状疱疹定期接種が始まります
帯状疱疹とは
帯状疱疹は、過去に水痘にかかった時に体の中に潜伏した 水痘帯状疱疹ウイルスが再活性化することにより、神経支配領域に沿って、典型的には体の左右どちらかに帯状に、時に痛みを伴う水疱が出現する病気です。合併症の一つに皮膚の症状が治った後にも痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」があり、日常生活に支障をきたすこともあります。帯状疱疹は、70 歳代で発症する方が最も多くなっています。
帯状疱疹ワクチンとは
帯状疱疹ワクチンには生ワクチン(阪大微研:乾燥弱毒生水痘ワクチン「ビケン」)、組換えワクチン(GSK 社:シングリックス)の2種類があり、接種回数や接種方法、接種スケジュール、接種条件、効果とその持続期間、副反応などの特徴が異なっていますが、いずれのワクチンも、帯状疱疹やその合併症に対する予防効果が認められています。
どちらのワクチンを接種するかは、受ける方が選択できます。
◆帯状疱疹ワクチンの受け方 | 生ワクチン(阪大微研) | 組換えワクチン(GSK社) |
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接種回数 | 1回(皮下に接種) | 2回(筋肉内に接種) |
接種スケジュール | ━ | 通常、2か月以上の間隔を置いて2回接種 |
接種できない方 | 病気や治療の影響で免疫が低下している方は接種できません。 | 免疫の状態に関わらず接種可能です。 |
接種に注意が必要な方 | 輸血やガンマグロブリンの注射を受けた方は治療後3か月以上、大量ガンマグロブリン療法を受けた方は治療後6か月以上置いて接種してください。 | 筋肉内に接種するため、血小板減少や凝固障害を有する方、抗凝固療法を実施されている方は注意が必要です。 |
※心臓血管系疾患、腎臓疾患、肝臓疾患、血液疾患等の基礎疾患を有する方、予防接種を受けて2日以内に発熱や全身の発疹などアレルギー症状があった方、けいれんをおこしたことがある方、免疫不全と診断されている方や、近親者に先天性免疫不全症の方がいる方、帯状疱疹ワクチン(生ワクチン、組換えワクチン)の成分に対してアレルギーを起こす恐れのある方等はいずれのワクチンについても接種に注意が必要です。
◆帯状疱疹ワクチンの効果 帯状疱疹に対するワクチンの効果 | 生ワクチン(阪大微研) | 組換えワクチン(GSK社) |
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接種後1年時点 | 60%程度の予防効果 | 90%以上の予防効果 |
接種後5年時点 | 40%程度の予防効果 | 90%程度の予防効果 |
接種後10年時点 | ━ | 70%程度の予防効果 |
※合併症の一つである、帯状疱疹後神経痛に対するワクチンの効果は、接種後3年時点で、生ワクチンは60%程度、組換えワクチンは90%以上と報告されています。
◆帯状疱疹ワクチンの安全性 主な副反応の 発現割合 | 生ワクチン(阪大微研) | 組換えワクチン(GSK社) |
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70%以上 | ━ | 注射部位の疼痛 |
30%以上 | 注射部位の発赤 | 注射部位の発赤・筋肉痛・疲労 |
10%以上 | 注射部位の搔痒感・熱感・腫脹・疼痛・硬結 | 注射部位の腫れ・胃腸症状・悪寒・発熱 |
1%以上 | 発疹・倦怠感 | 痒み・倦怠感・全身疼痛 |
定期接種対象者
八代市に住民登録をしている方で以下の条件に該当される方が対象です。
(1) 年度内に65 歳を迎える方
(2) 年度内に70歳、75歳、80歳、85歳、90歳、95歳、100歳を迎える方
※令和7年度から令和11年度までの5年間の経過措置として実施します。対象となった年に受けられなければ、二度と定期接種の対象にはなりません。十分、ご注意ください。
※100歳以上の方は令和7年度に限り、全員対象です。
(2) 60~64 歳でヒト免疫不全ウイルスによる免疫の機能の障害があり日常生活がほとんど不可能な方。
◆令和7年度は以下の生年月日の方が対象です。
対象生年月日 年齢 | 対象生年月日 | 年齢 | 対象生年月日 |
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65歳 | 昭和35年4月2日~昭和36年4月1日生 | 70歳 | 昭和30年4月2日~昭和31年4月1日生 |
75歳 | 昭和25年4月2日~昭和26年4月1日生 | 80歳 | 昭和20年4月2日~昭和21年4月1日生 |
85歳 | 昭和15年4月2日~昭和16年4月1日生 | 90歳 | 昭和10年4月2日~昭和11年4月1日生 |
95歳 | 昭和5年4月2日~昭和6年4月1日生 | 100歳 以上 | 大正14年4月2日~大正15年4月1日生 以前に生まれた方 |
接種期間 ※重要
定期接種を受けることができる期間は令和8年3月31日までです。
ただし、組換えワクチンは2回接種となっていますので、1回目の接種を1月31日までに接種をしておく必要があります。
十分ご注意ください。
接種費用(自己負担額)
ワクチン毎の接種費用 | 生ワクチン(阪大微研) | 組換えワクチン(GSK社) |
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接種回数 | 1回 | 2回 |
自己負担額 (1回接種に係る自己負担額) | 2,640円 | 6,600円 |
接種場所
指定医療機関で受けることができます。
※事前に必ず、指定医療機関に予約をして下さい。指定医療機関以外で接種した後、お問合せを頂いても補助は受けられません。
接種日当日に必要なもの
※接種時に必要な予診票等については4月中に対象者に送付予定です
〇同封の予診票(うすい緑色)
〇自己負担金
〇マイナンバーカード等、住所や生年月日が確認できるもの
※生活保護受給者は、自己負担額を全額公費負担します。生活保護受給証明書を医療機関にご持参ください。接種日当日、生活保護受給証明書のご持参が無ければ自己負担額が発生します。
指定医療機関以外での定期接種を希望する場合
長期入院や施設への入所など、やむを得ない事情により指定医療機関以外での定期接種を希望する場合、必ず接種前に健康推進課 へご相談ください。ご連絡なく、接種をされた場合は助成を受けることができない場合があります。また、医療機関によっては、接 種前に「定期接種依頼書」の交付を受ける必要があるため、「定期接種依頼申請書」を提出していただきます。
なお、医療機関等により接種料金が異なるため、指定医療機関で接種した場合より自己負担額が上回る場合があります。
また、接種料金の助成が償還払となる場合があります。