桜九曜紋透象嵌鐔 さくらくようもんすかしぞうがんつば
透彫と象嵌の技術の高さがさえわたる鐔です。
鉄地に細かい唐草文様を金布目象嵌によって表したもので、その緻密さとシャープさに作者の技術の高さが見てとれます。布目象嵌とは、文様をつける部分に鏨で縦横に刻みを入れてから金銀を打ち込む技法で、この溝が布目のように見えることからの呼び名です。布目象嵌は、文様以外の部分に残った布目を、あとから潰して消してしまうので、この鐔にも布目跡はほとんど残っていません。その点でも、完成度の高い作品といえます。
作者の秀勝は、どのような人物かはっきりわかっていませんが、こうした高い技術をもった金工師がたくさんいたことがうかがえます。
作者 秀勝 切羽台左右に陰刻銘「熊府住/秀勝」
品質形状 鉄地 十木瓜形 角耳 透彫 象嵌
法量 縦8.1cm 横7.7cm
時代 江戸時代後期(19世紀)
所蔵 八代市立博物館未来の森ミュージアム
八代市立博物館収蔵品検索システム「桜九曜紋透象嵌鐔」
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