三階松透鐔 さんがいまつすかしつば
三段になった松の樹を透かし彫りにした鐔です。
鉄地はよく鍛えられ、やや茶味がかった黒色を呈しています。松葉を表す毛彫の線は摩耗のため、薄れていますが、のびのびした線で雄大な作風となっています。作者の林又七は、父が尾張出身の鉄炮鍛冶で、もとは加藤清正に仕え、加藤家改易後、細川家に抱えられ、鐔工となりました。尾張透鐔の影響を受け、さらに京正阿弥の象嵌技術を学んで大成したいと伝えられ、鉄色が抜群で羊羹色を呈し、繊細な透かし彫りと布目象嵌に特色があると評されます。本作品は、又七作の名品として熊本県の重要文化財に指定されています。
作者 林又七(無銘)
品質形状 鉄地 丸形 丸耳 透彫 毛彫
法量 縦7.8cm 横7.7cm
時代 江戸時代前期(17世紀)
所蔵 八代市立博物館未来の森ミュージアム
八代市立博物館収蔵品検索システム「三階松透鐔」(外部リンク)