唐草文象嵌鐔 からくさもんぞうがんつば
薄手の鉄地に縄目文の赤銅覆輪をかけ、瀟洒な唐草文を銀象嵌で表した鐔です。
作者の平田彦三は、丹後国で細川家に仕え、父は松本因幡守、母は明智光秀の娘玉が輿入れするときにお供してきた付き人と伝えられます。父没後、彦三は平田姓を名乗り、百石を支給されて藩の金銀貨幣などの鑑定に従事。細川三斎の命で金工の修業に努めたといわれます。三斎が八代に入った時、彦三と弟子の西垣勘四郎、彦三の甥志水仁兵衛も八代に移り住みました。肥後金工の主要な流派の初代がいずれも八代とゆかりがあり、肥後金工の発展に大きく影響を及ぼしました。
本作品は、地金に雅趣があり、覆輪の技術に優れたと評される彦三の特徴をよく伝える作品です。
作者 平田彦三(無銘)
品質形状 鉄地 丸形 赤銅覆輪 象嵌 鑢目
法量 縦8.25cm 横8.2cm
時代 江戸時代初期(17世紀)
所蔵 八代市立博物館未来の森ミュージアム
八代市立博物館収蔵品検索システム「唐草文象嵌鐔」(外部リンク)