皆さんは健診や病院で「血圧が高かですね。」とか「そろそろ治療(降圧剤内服)ば始めましょうかね。」などと言われたことはありませんか?
しかし「血圧が高いと言われてもどうもないのに、なぜわざわざ薬を飲まなくてはいけないの?」と思われる人もいらっしゃると思います。「血圧が高い」と何が問題なのでしょうか?
体にはいろいろな臓器がありますが、生きていくのに特に重要な3つの臓器、脳と心臓と腎臓には構造上共通の弱さがあります。これらの臓器の血管は、直角に曲がっていたり、太い血管から急に細い血管になったりという構造になっています。そのため強い血流(高血圧)があるとこの細い血管の内側の表面(血管壁)を傷めてしまうのです。血圧が高い状態が続くと傷んだ血管壁の動脈硬化が進んでしまって血液の流れが悪くなり、脳卒中や心筋梗塞、腎機能障害を起こしてしまいます。脳卒中・心筋梗塞・腎機能障害を起こしてから血圧を下げても壊れた脳や心臓、腎臓は元に戻りません。そのため自覚症状がなくても、健診や家庭での血圧測定で早めに高血圧を見つけ、動脈硬化が進む前に治療することが大切です。
高血圧の予防・治療では、減塩が大切だということは皆さんもよくご存じだと思います。「薄味に慣れる」ことも大切ですが、まずは食塩摂取が多くなりがちな食品を摂りすぎないようにするだけでも減塩の効果があります。「漬物を減らす」、「麺類の汁を残す」などすぐにできることから始めてみませんか?