○八代市立小・中・特別支援学校出席停止の命令に関する要綱

平成17年8月1日

教育委員会告示第1号

(趣旨)

第1条 この告示は、八代市立小・中・特別支援学校における児童生徒が性行不良及び他の児童生徒の教育に妨げがあると認められるとき、熊本県八代市立学校管理規則(平成17年八代市教育委員会規則第12号。以下「管理規則」という。)第9条の規定により、当該児童生徒に出席停止を命ずる際の運用に関し必要な事項を定めるものとする。

2 出席停止は、本人に対する懲戒という点からではなく、学校の秩序を維持し、他の児童生徒の義務教育を受ける権利を保障するために行わなければならない。

(事前指導)

第2条 学校は、日ごろからの生徒指導を充実させ、児童生徒の問題行動を防ぐため、次に掲げる事項について最大限の努力を行わなければならない。

(1) 保護者全体に対し、この制度の趣旨に関する説明を行い、適切な理解を促すよう努めること。

(2) ボランティア活動等社会奉仕体験活動及び自然体験活動その他の体験活動を効果的に取り入れるなど教育活動全体を通じ、教職員が一致協力して豊かな人間性を育成する指導を徹底すること。

(3) 教職員が児童生徒の悩みや不安を受け止めるよう努めるとともに、スクールカウンセラー等を有効に活用するなど、教育相談の充実を図ること。

(4) 問題行動の発生に際しては、教職員が共通の理解の下に毅然とした態度で指導に当たり、暴力行為に及ぶ児童生徒に対しては、正当防衛としての行為をするなどの対応も行うこと。

(5) 学校だけで問題を抱え込むことなく、家庭や地域社会、関係機関との連携を密にすること。

(6) 深刻な問題行動を起こす児童生徒について、必要と認められる場合は、学校や児童生徒の実態に十分配慮しつつ、一定期間、校内で他の児童生徒と異なる場所で特別の指導計画を立てて指導すること。その場合においては、個別の指導記録を作成し、問題行動の事実関係や児童生徒及び保護者に対する指導内容等を事実に即して記載すること。

(出席停止措置の要件)

第3条 校長が、管理規則第9条第1項の規定により八代市教育委員会(以下「教育委員会」という。)に報告する場合における同項に掲げる行為の具体的な事例としては、おおむね次に掲げるとおりとする。

(1) 他の児童生徒に対する威嚇、金品の強奪、暴行等

(2) いじめについては、傷害に至らなくとも一定の限度を超えて心身の苦痛を与える行為

(3) 職員に対する威嚇、暴言、暴行等

(4) 窓ガラス、机、教育機器等を破壊する行為

(5) 授業妨害のほか、騒音の発生、教室への勝手な出入り等

(報告)

第4条 前条の規定による報告は、校長意見具申書(様式第1号)により行うものとする。

(意見聴取)

第5条 教育委員会は、出席停止の措置を講ずるに当たっては、措置について保護者の同意を得る必要はないが、保護者からの弁明を聴く機会を設けなければならない。

2 当該児童生徒についても、弁明を聴く機会を設けるよう配慮しなければならない。

(出席停止の決定)

第6条 出席停止の決定は、教育委員会が管理規則及びこの告示に基づき、校長の判断を尊重しつつ、保護者からの意見聴取を行った上で行うものとする。

(文書の交付)

第7条 出席停止の命令伝達は、教育長等教育委員会関係者及び校長、教頭等が立ち会い、保護者と当該児童生徒を同席させ、出席停止通知書(様式第2号)を交付して行う。

2 その際に、出席停止を命じた趣旨や個別指導計画の内容等その後の指導方針について、保護者及び児童生徒に説明するものとする。

(出席停止の期間)

第8条 出席停止期間については、可能な限り短い期間となるよう配慮する。

(期間中の対応)

第9条 教育委員会は、出席停止を措置する場合には、学校の協力を得つつ、当該児童生徒の個別指導計画の策定、期間中の指導体制の整備、学習の支援等教育上必要な措置を講じ、その立ち直りに努めなければならない。

2 出席停止期間中の指導は、学校外で行うこととする。ただし、校内での指導を取り入れることが有効と認められる場合は、他の児童生徒の教育の妨げとならない限りにおいて校内で指導することができる。

3 教育委員会と学校は、保護者に対し、出席停止の期間中は保護者が責任を持って監督・保護の義務を果たすよう積極的に働きかけるものとする。

4 当該児童生徒については、学校や学級に円滑に復帰できるよう規範意識及び社会性を培う等学校や学級の一員としての自覚を持たせること並びに生活に目的意識を持たせること、学習面で基礎・基本を補充すること等を図るものとする。

第10条 教育委員会は、校長からの出席停止解除申出書(様式第3号)による申出を受けて、出席停止期間中の児童生徒の状況により、出席停止を命ずる理由がなくなったと認めるときは、出席停止を解除できるものとする。

2 教育委員会は前項の規定により解除を決定したときは、児童生徒に対し、出席停止解除通知書(様式第4号)を交付するものとする。

(指導要録の取扱い)

第11条 指導要録の出欠の記録については、出席停止の欄に日数を記入し、備考欄にその理由を記入する。

(その他)

第12条 この告示に定めるもののほか、必要な事項は、教育長が別に定める。

(施行期日)

1 この告示は、平成17年8月1日から施行する。

(経過措置)

2 この告示の施行の日の前日までに、合併前の八代市立小中養護学校の出席停止に関する規程(平成13年八代市教育委員会訓令甲第3号)、千丁町立小中学校出席停止の命令に関する要綱(平成14年千丁町教育委員会告示第2号)又は鏡町立小中学校出席停止の命令に関する要綱(平成14年鏡町教育委員会告示第2号)の規定によりなされた決定、手続その他の行為は、それぞれこの告示の相当規定によりなされたものとみなす。

(平成19年2月13日教委告示第4号)

この告示は、平成19年4月1日から施行する。

様式(省略)

八代市立小・中・特別支援学校出席停止の命令に関する要綱

平成17年8月1日 教育委員会告示第1号

(平成19年4月1日施行)