○八代市職員倫理条例
令和元年12月23日
条例第39号
(目的)
第1条 この条例は、職員の公務員としての倫理(以下「職員倫理」という。)の保持に資するため必要な措置を講ずることにより、職員の職務に対する市民の疑惑や不信を招くような行為を防止するとともに、公務に全力で取り組むことができるよう、全ての職員が個人としての尊厳を尊重される豊かで安心な職場環境を醸成し、もって公務に対する市民の信頼を確保することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「職員」とは、次に掲げる者をいう。
(1) 地方自治法(昭和22年法律第67号)第161条第1項に規定する副市長
(2) 地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)第3条に規定する教育長
(3) 地方自治法第195条第1項に規定する監査委員のうち常勤のもの
(4) 地方公務員法(昭和25年法律第261号)第3条第2項に規定する一般職に属する職員
(職員が遵守すべき職員倫理の原則)
第3条 職員は、市民全体の奉仕者であり、市民の一部に対してのみの奉仕者ではないことを自覚し、職務上知り得た情報について市民の一部に対してのみ有利な取扱いをする等市民に対し不当な差別的取扱いをしてはならず、職務上知り得た秘密を保持し、常に公正な職務の執行に当たらなければならない。
2 職員は、常に公私の別を明らかにし、いやしくもその職務や地位を自らや自らの属する組織のための私的利益のために用いてはならない。
3 職員は、法令により与えられた権限の行使に当たっては、当該権限の行使の対象となる者からの贈与等を受ける等の市民の疑惑や不信を招くような行為をしてはならない。
4 職員は、職務の遂行に当たっては、公共の利益の増進を目指し、全力を挙げてこれに取り組まなければならない。
5 職員は、勤務時間外においても、自らの行動が公務の信用に影響を与えることを常に認識して行動しなければならない。
6 職員は、職務の遂行に当たり、関係法令若しくは職務上の義務に違反する行為若しくは公正な職務の遂行を損なう行為又はそれらのおそれのある行為を求める要求に応じてはならない。
7 職員は、ハラスメント等職場環境を害する言動等を行ってはならず、職員相互が尊重し合い、理解し合い、支え合いながら、能率的に職務を遂行することができるよう良好な職場風土の形成に努めるものとする。
8 職員は、市民に寄り添い、郷土に愛着を持って、自己の能力向上を図り、組織目標の実現に向けて、自ら考え、柔軟かつ迅速に行動するよう努めるものとする。
(任命権者の責務)
第4条 任命権者は、職員の行為が公務に対する市民の疑惑や不信を招くことのないよう常に注意を喚起するとともに、職員に対する研修等職員倫理の保持に資するため必要な措置を講じなければならない。
(管理監督者の責務)
第5条 管理監督者(職員を管理し、又は監督する地位にある者をいう。以下同じ。)は、職員倫理の高揚に努めるとともに、その職務の重要性を自覚し、部下職員に対し、職員倫理の保持のために必要な指導及び助言をしなければならない。
2 管理監督者は、公正な職務の執行を確保するため、第3条に掲げる職員倫理の原則を踏まえ、職務の執行の方法を常に検討し、その改善を図るとともに、部下職員の自律性を高め、良好な職場風土の形成に努めなければならない。
(禁止行為等)
第6条 市長は、第3条に掲げる職員倫理の原則を踏まえ、職員の遵守すべき事項(以下「禁止行為等」という。)を規則で定めるものとする。この場合において、禁止行為等には、職員の職務に利害関係を有する者からの贈与等の禁止及び制限等職員の職務に利害関係を有する者との接触その他市民の疑惑や不信を招くような行為の防止に関する事項が含まれていなければならない。
(八代市職員倫理審査会)
第7条 職員倫理の保持に資するため、八代市職員倫理審査会(以下「審査会」という。)を置く。
2 審査会の所掌事務は、次のとおりとする。
(1) 市長から諮問を受けた職員倫理の保持に関する制度の改廃等の重要事項について審議し、その結果を答申すること。
(2) 次条第3項の規定に基づき市長が依頼した調査を行い、その結果を報告すること。
(3) 前2号に掲げるもののほか、職員倫理の保持に関し市長が別に定める事項
3 前2項に定めるもののほか、審査会の組織及び運営に関し必要な事項は、規則で定める。
(倫理の保持に関する調査)
第8条 任命権者は、職員にこの条例若しくはこの条例に基づく規則又は他の法令等に違反する行為(以下「違反行為」という。)を行った疑いがあると思料する場合で必要と認めるときは、当該行為に関して必要な調査を行うものとする。
2 市長以外の任命権者は、前項の調査を行おうとするときは、市長に対し、その旨を報告するものとする。当該調査が終了したときも、同様とする。
4 市長は、前項後段の規定による報告を受けた場合において、当該報告に係る行為が市長以外の任命権者が任命した職員の行為であるときは、当該報告を受けた調査の結果を当該任命権者に報告するものとする。
(答申等)
第9条 市長は、第7条第2項の規定により審査会からの答申又は報告に関する書面の提出を受けたときは、必要な措置を講ずるとともに、その書面の写しを速やかに任命権者に送付し、提出を受けた日の翌日から起算して5年を経過する日まで保存しなければならない。
(倫理監督者)
第10条 職員倫理の保持を図るため、倫理監督者を置く。
2 倫理監督者は、職員倫理の保持に関し必要な指導及び助言を行うものとする。
(違反行為があった場合の措置)
第11条 任命権者は、職員が違反行為を行ったと認められる場合は、その違反の程度に応じ、地方公務員法第29条第1項の規定に基づく懲戒処分その他人事管理上必要な措置を講じなければならない。
2 任命権者は、職員に違反行為があることを理由として懲戒処分を行った場合においては、別に定める職員の懲戒処分等に関する基準により当該処分の概要を公表するものとする。
(ハラスメントに関する措置等)
第12条 ハラスメント等職場環境を害する言動の防止及び排除のための措置並びに苦情処理に関し必要な事項は、別に定める。
(公益通報)
第13条 公正な職務の執行を確保するため、公益通報者保護法(平成16年法律第122号)の規定に基づき、職員等が知り得た行政運営上の違法行為等に関して行う公益通報について必要な事項は、別に定める。
(委任)
第14条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、令和2年4月1日から施行する。