文化財さんぽ24〜妙見祭ゆかりの文化財⑧〜
龍が描かれた神輿
(りゅうがえがかれたみこし)
◆八代市妙見町 八代神社(妙見宮)所蔵
◆熊本県指定重要民俗文化財「妙見宮祭礼神幸行列関係資料」のうち神輿1基
◆平成15年4月16日指定
◆寛永12年(1635)年頃制作
八代神社【妙見宮】にある神輿(みこし)は、寛永(かんえい)9年【1632】、加藤忠広(かとうただひろ)に代わり熊本藩主となった細川忠利(ほそかわただとし)の父で、八代城を隠居所とした細川三斎(さんさい)【忠興(ただおき)】が、寛永12年【1635】に寄進(きしん)したとされるもので、内部の天井には三斎自ら描いたと伝えられる龍の絵があります。龍は仏教を守る八部衆(はちぶしゅう)の一つで龍神と呼ばれ、お寺の住職が仏法(ぶっぽう)を説く建物の天井に描かれると、それが法の雨【仏法の教え】を降らせるという意味や、龍神が水を司(つかさど)る神であるため、火災から護(まも)るという意味 があるといわれます。
三斎が神輿や祭礼道具を寄進して妙見祭を再興(さいこう)したことにより、それから100年ほどの間にさまざまな出し物が加わり、現在に受け継がれる華やかで多彩な神幸行列(しんこうぎょうれつ)の形が整っていきました。
この神輿は、平成9年まで妙見祭の神幸に使用されていましたが、翌10年に新調された神輿に役目を譲り、現在は神社内に大切に安置【非公開】されています。妙見祭発展の歴史を物語る貴重な資料として、笠鉾(かさほこ)9基とともに熊本県の重要民俗文化財に指定されています。
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八代神社(妙見宮)の神輿 |
神輿の天井画(神輿内部) |