文化財さんぽ21〜妙見祭ゆかりの文化財⑤〜
称讃寺の梵鐘
(しょうさんじのぼんしょう)
◆八代市鏡町中島野添1303
◆八代市指定文化財
◆平成15年3月15日指定
◆江戸時代前期 延宝3年(1675)
鏡町中島にある称讃寺には、延宝(えんぽう)3年(1675)に鋳造された梵鐘があります。この鐘は、鉄眼(てつげん)禅師(ぜんじ)(1630〜1682)という有名な禅僧による銘文が刻まれていることで貴重な鐘ですが、今回は別の点に着目します。
この鐘には「宮原妙見社」と刻まれています。もともとこの鐘は、宮原妙見社(現宮原三神宮)の神宮寺(じんぐうじ)(神社に付属して建てられた寺)であった神蔵寺(じんぞうじ)にあったもので、明治4年の神仏分離によって、神蔵寺がなくなったため、称讃寺に引きとられたものです。
江戸時代、妙見宮(現八代神社)の神宮寺(現在の宮地小学校にあった)の僧侶が亡くなると、神蔵寺の僧侶が後継者に任命されるなど、妙見宮とゆかりのある寺でした。
※鉄眼禅師・・・小川町出身。黄檗宗(おうばくしゅう)に帰依(きえ)し、延宝6年(1678)「大蔵(だいぞう)経(きょう)」出版という大事業を成し遂げる。「鉄眼版一切経版木」(48,275枚、京都・宝蔵院所蔵)として国指定重要文化財。
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称讃寺梵鐘 |
称讃寺梵鐘銘文 |