文化財さんぽ20上鏡の獅子舞〜妙見祭ゆかりの文化財④〜
上鏡の獅子舞〜田園地帯に残る素朴な獅子舞〜
(かみかがみのししまい)
◆八代市鏡町上鏡地区
◆保存団体:上鏡獅子組保存会
◆八代市指定無形民俗文化財
◆平成16年3月19日指定
八代妙見祭の獅子舞は、元禄4年(1691)、八代城下町の豪商井桜屋勘七が創始したといわれ、獅子の胴幕に毛が縫い付けられ、中国風の衣装をつけた子供が玉を振り、楽器はドラやチャルメラなどを用いるのが特徴です。この特徴を持つ獅子舞は、やがて、宇土、小川、松橋など、八代周辺の祭礼にも取り入れられていきました。
上鏡地区に伝承される獅子舞も、妙見祭の獅子舞にならって天保10年(1839)、宮原三神宮に奉納したのが始まりと伝えられ、戦前までは三神宮の祭礼行列に先払いとして加わっていましたが、戦後三神宮への奉納は途絶え、現在は、9月下旬に行われる上鏡天満宮の祭礼に奉納されています。
妙見祭の獅子舞と共通する部分もありますが、寝ている獅子の足の間を玉振りの子供が飛び越えていくところや、最後に玉振りが獅子の背中に乗るところなど、異なる点も多く、妙見祭の獅子舞とは違った魅力があります。
170年近く受け継がれてきた八代のもう一つの獅子舞をぜひご覧ください。
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寝ている獅子の足の間を玉振りが飛び越えていくところ |
二頭の獅子を玉振りがあやしているところ |