貴重な写真資料を市へ寄贈　麦島勝さんへ感謝状

　八代市在住の写真家・麦島勝さんが、今年8月、自分で撮影した写真資料３１２２点を市に寄贈。昭和期の八代を中心とする県南地域の人や生活、風景を記録した写真で、作品としての価値はもとより、郷土の歴史・文化を語る上でもかけがえのない文化遺産です。

　貴重な写真資料の寄贈に対して11月13日、中村博生市長が麦島さんに感謝状を贈りました。感謝状を受け取った麦島さんは「繰り上げ繰り上げで学校を卒業して戦争へ行き、20歳前に自分は死ぬと思っていた。（生きて終戦を迎え）写真は、ふるさとへのお礼奉公と思って撮ってきた。できるだけ子どもや動物を入れるように心がけた。入ると写真に温かみが出る。子どもの服装などを見ると時代が分かりますね」と話しました。

　麦島さんは1927年に八代市で生まれ、43年に八幡製鉄所に入社、44年に召集で入隊しました。45年の復員後、興国人絹で機械設備の設計・製作を担当。その後は鋼構造物の設計・製作や工場建設、橋梁、土木工事に従事しながら休日は写真撮影に明け暮れました。現在、全日本写真連盟熊本県本部委員や熊日フォトサークル運営委員、フォトざぼん会長を務めています。出版物には「川の記憶－球磨川の五十年」「麦島勝写真集－カメラがとらえた八代の半世紀」「昭和の貌－《あの頃》を撮る」があり、２０１４年第35回熊日出版文化賞を受賞しました。

　写真資料は今後、市立博物館で1点ごとに整理・調査作業を行い、順次、博物館のホームページで公開する予定です。