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2020.8.31市長メッセージ

最終更新日:

 今年は、例年より10日ほど遅い梅雨明けとなりまして、その後は命に関わるような危険な暑さが続いておりましたが、ここ数日、朝晩は気温も下がり、少し秋の気配を感じる気候になってきております。これから本格的な台風シーズンを迎えることになりますので、今後も気を引き締めて対応にあたってまいります。

 近年は「数十年に一度」と言われる災害が頻発している状況にあり、まさに、そのような災害が本市においても発生いたしました。「令和2年7月豪雨」により、本市におきましても坂本地域を中心に甚大な被害が発生し、4名の尊い命が失われ、1名の方が未だ行方不明となっております。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りし、ご遺族の皆様に衷心よりお悔やみを申し上げますとともに、被災されました皆様に、心よりお見舞い申し上げます。

 

 「令和2年7月豪雨」ならびに「新型コロナウイルス感染症」に関する本市の対応状況等と、最近の市政の動向について、ご報告申し上げます。
 まず、「令和2年7月豪雨」では、球磨川流域の多くの雨量観測所において、戦後最大の洪水被害をもたらした「昭和40年7月洪水」を上回る雨量を観測し、多くの住宅に甚大な被害が発生いたしました。国の「宅防事業」で、宅地の嵩上げもしていただいておりましたが、それでも522件が全壊、455件が床上浸水となるなど、多くの建物において浸水被害が発生いたしました。

 また、市街地と坂本地域を結ぶ主要な幹線道路であります国道219号をはじめ、県道・市道を含む多くの道路が寸断され、さらには、鉄道橋を含む4つの橋梁が流失したことによりまして、発災からしばらくは、現地に行くこともできないような状況でありました。ライフラインにつきましても、広範囲に停電、断水、さらには携帯電話や固定電話が不通となり、現在も回復していない地域もございます。加えて、地域の主要施設である坂本支所、八代警察署坂本駐在所、八代消防署坂本分署をはじめ、銀行や郵便局、農協、診療所、JR肥薩線の4駅が水没するなど、甚大な被害が発生しております。

 発災当時の本市の主な対応としましては、7月4日午前2時45分に「避難準備・高齢者等避難開始」を発令するとともに、午前4時3分に坂本町全域に対し、防災無線で「避難指示」を出しました。その後、昨年10月の台風19号以来、熊本県と鹿児島県では初めてとなる「大雨特別警報」が発令された午前4時50分に災害対策本部を設置いたしました。

 災害発生直後は、人命救助を最優先に考え、7月4日午前7時3分に自衛隊へ派遣要請を行い、消防ヘリと合わせ救助捜索活動に注力いただくとともに、全力で住民の皆様の安否確認に取り組みました。救助された皆様や被災された皆様につきましては、八代トヨオカ地建アリーナや千丁コミュニティセンターに設置した避難所に受け入れを行い、最も多いときで、300人を超える方々が避難されました。8月28日には、千丁コミュニティセンターの避難者の皆様が全員退所されましたが、現在も56世帯・93人の方が避難生活を送られておられます。
 避難所の運営にあたりましては、新型コロナウイルス感染防止策の徹底をはじめ、パーテーション設置によるプライバシーの確保、保健師や看護師による健康管理、避難者の皆様の不便を少しでも解消するための環境改善などに、全国の自治体職員の皆様の支援をいただきながら、取り組んでいるところでございます。

 災害ごみにつきましては、7月7日以降、地区ごとに集積所を選定し、分別集積を開始するとともに、7月11日から水処理センター内に仮置場を開設いたしました。また、8月9日からは、くま川ワイワイパークの第3駐車場も仮置場として開設することで、被災者の皆様の利便性向上に努めております。
 その他衛生面としましては、7月10日に坂本支所付近に仮設トイレを設置して以降、主要な施設や要望のあった箇所などに、現在まで39基の設置を行っております。また、7月14日からは、感染症予防のための消石灰や消毒液の配布も行っているところでございます。

 家屋・敷地内に堆積した土砂・流木につきましては、個人やボランティア等により道路脇まで出していただければ、市で順次回収を行っておりましたが、7月29日からは、高齢の方や堆積状況によりご自分で撤去することが困難な場合などは、所有者の申請に基づき、市が撤去する制度を開始するとともに、家具などのがれきも対象に加えたところでございます。
 なお、宅地内の土砂やがれきの撤去につきましては、7月7日に市社会福祉協議会により災害ボランティアセンターが開設され、県内各地からお集まりのボランティアの皆様にご支援をいただいております。また、8月4日から7日にかけて、自衛隊をはじめとした関係団体の皆様により、自力での作業が難しい高齢者の方々のご自宅を中心に、家屋内の土砂やがれき等の集中撤去を実施していただき、大きく復旧を進めることができました。この復旧の流れを維持するため、8月8日からは八代市消防団の皆様方にもご支援をお願いし、8月10日までの3日間で、延べ460人の団員の皆様にご協力をいただきました。

 さらに、災害発生時から復旧作業へ迅速にご対応いただいております建設業界、廃棄物処理業界をはじめ、市内に多くの会員を有しておられる経済団体の皆様方にも、国・県の制度を活用しまして、土砂・がれき等の撤去作業を委託し、延べ349人の皆様にご支援いただきました。

 次に、被災された皆様への支援についてですが、7月6日に災害相談窓口を開設するとともに、同日から「り災証明願」や市税の納税相談などの受付も開始しております。り災証明書につきましては、7月11日より家屋調査、7月27日から交付を開始し、8月28日現在、407件の交付が完了しております。なお、被災者生活再建支援金につきましては、り災証明書の交付にあわせて、7月27日より受付を開始しております。

 住宅の支援につきましては、7月16日から市営住宅への緊急入居及び賃貸型応急住宅、いわゆる「みなし仮設住宅」への入居案内を開始いたしました。8月28日現在で、市営住宅には11世帯の方々が既に入居されており、みなし仮設住宅には92世帯の申し込みがあっておりまして、手続きが完了した世帯から順次、入居されております。

 また、熊本県が施工される建設型の仮設住宅につきましては、7月19日より「八代市市民球場仮設団地」26戸の建設を市民球場南側駐車場において開始され、9月上旬には完成予定となっております。その後、26戸を超える申し込みがありましたことから、八千把地区土地区画整理事業地内に、2箇所目として「八代市古閑中町仮設団地」14戸の建設に8月9日から着手されております。こちらは、10月上旬の完成予定となっております。
 なお、今回の豪雨により被災された家屋等の公費による解体・撤去につきましては、8月17日より事前相談を開始し、9月1日より申請受付を開始いたします。

 次に、被災した保育園や小・中学校への対応についてでございます。
 まず、川岳保育園の児童につきましては、7月7日より高田あけぼの保育園にて一時的に受け入れを行ったのち、7月13日からは旧鏡西部小学校にて長期受け入れを行っております。また、わかあゆ保育園の児童につきましては、7月8日より宮地さくら保育園で、7月13日からは
植柳幼稚園で受け入れを行ったのち、8月24日より、再度、宮地さくら保育園にて受け入れを行っております。八竜小学校及び坂本中学校の児童・生徒につきましては、7月7日から「やつしろ子ども支援相談員」による相談対応を行ったのち、7月15日からは、桜十字ホールやつしろ及び鶴喰生活改善センターに「学びの場」を設置するとともに、スクールカウンセラーによる心のケアを開始しました。その後、7月20日からは、同ホール・センターにおいて授業を再開いたしまして、8月3日から日奈久小学校及び日奈久中学校の空き教室等を使用しての教育活動を行っているところでございます。
 被災された事業者の皆様に対しましては、従来のグループ補助金と自治体連携型補助金を拡充・柔軟化し、新たに創設された「なりわい再建補助金」に関する説明会を、8月26日からの3日間、桜十字ホールやつしろで開催するとともに、8月31日からは、さかもと青少年センターにおきまして、個別相談会を実施いたしております。また、現在、早期の事業再開を希望される事業者の皆様が入居する店舗や事業所等となる「集合型仮設施設」の整備について、検討を進めているところでございます。加えて、被災農業者向けの相談窓口につきましても、8月24日から設置しております。

 次に、発災以降、機能を千丁支所2階に移転しておりました坂本支所につきましては、8月11日より「坂本の里一灯苑」北側の市有地にコンテナハウスによる坂本支所応急仮設事務所を開設いたしました。なお、詳細は、後ほど予算議案の説明にて申し上げますが、今後は仮設庁舎の建設に向けて、準備を進めてまいります。

 このたびの豪雨災害対応におきましては、議員各位には、発災当初からご支援をいただいており、また、多くの市民・団体・企業の皆様から、心のこもった支援物資や多くの義援金・寄付金をお寄せいただくとともに、8月30日現在までに延べ5,765人もの県内各地からのボランティアの皆様に、復旧・復興に対し、多大なるお力添えをいただいております。また、国や県、他自治体をはじめ、自衛隊、消防、警察、建設業界、廃棄物処理業界など、多くの関係団体や企業、医療機関等の皆様には、人命救助、救援捜索活動、被災地の防犯活動、道路・河川等の応急復旧、応急給水活動、避難所運営・り災証明書関係業務及び災害廃棄物搬出等に対してご尽力いただくとともに、現在も一部業務においては、ご支援いただいているところでございます。さらには、日奈久温泉旅館組合、つるの湯及び八代ドライビングスクールのご協力により、被災された皆様に対し、温泉施設の無料開放と送迎バスの運行をしていただきました。

 多くの皆様方からのご支援に、この場をお借りして、心より感謝を申し上げます。令和2年7月豪雨からの復旧・復興は道半ばであるため、今後も多くの方々のお力添えが必要不可欠となります。引き続き、ご支援賜りますよう、何とぞよろしくお願い申し上げます。

 発災以来、34回の会議を行うなど災害対策本部を中心として、様々な角度から災害復旧及び被災者支援を行ってまいりましたが、これらに加えて、被災された方々の生活及びなりわいの再建、発展的なまちづくりなど、地域の復興に向けて本格的に取り組むことが重要であると考え、豪雨災害からちょうど1か月を経過した8月4日に、復興推進課を総務企画部内に新しく設置いたしました。また、各部局が一体となって、迅速かつ強力に被災地の復興を進めていくため、八代市復興推進本部を設置し、8月17日に第1回の会議を開催いたしました。今後は、当該本部ならびに復興推進課が中心となり、坂本地域住民の皆様のご意見等を丁寧に伺いながら、復興計画策定に向けて取り組んでまいります。加えて、これまで被災地の視察等に来られた武田防災担当大臣、赤羽国土交通大臣、自由民主党岸田政調会長や、地元選出の金子衆議院議員をはじめ松村参議院議員、馬場参議院議員など国会議員の皆様に対し、インフラの早期復旧・強靭化や復旧・復興に向けての財政支援、さらには、抜本的な治水対策の強力な促進などについて、強く要望してまいりました。

 また、県に対しましても、7月31日に上村議長、成松副議長とともに県庁を訪問し、蒲島県知事ならびに池田県議会議長へ、道路等の早期復旧の推進、JR肥薩線・肥薩おれんじ鉄道の早期復旧に向けた支援、及び小・中学校移転に伴う運営支援を含む全15項目の緊急要望書を提出し、国への強力な働きかけについてお願いを行ったところでございます。

 今回の豪雨災害については、災害救助法の適用や激甚災害及び特定非常災害の指定を受けるとともに、国道219号や県道、市道2路線、市之俣川1河川が国の権限代行による災害復旧事業に決定しております。

 今後も、国や県、関係機関等と緊密に連携を取りながら、被災された皆様が、一日も早く生活を再建し、安心した日常生活を取り戻すため、職員一丸となって全力で取り組んでまいりますので、議員各位にもなお一層のご協力を賜りますよう、何とぞよろしくお願いいたします。

 

 次に、新型コロナウイルス感染症への本市の対応等について、ご説明いたします。

 本市におきましては、市民の皆様のご理解とご協力を得ながら、新型コロナウイルス感染症の感染防止対策に取り組んでまいりましたが、全国的に感染が再び拡大する中、7月16日に八代保健所管内で1例目となる感染者が確認されました。その翌日午前8時に、第17回目となる新型コロナウイルス感染症対策本部会議を緊急に開催いたしまして、感染者に関する情報共有を行うとともに、市民の皆様に対する正確な情報提供や冷静な行動の呼び掛け、感染者及び立ち寄られた施設の関係者の皆様などが不当な差別や偏見、あらぬ風評被害を受けられないよう十分な配慮を行うこと、及び引き続き咳エチケットや手洗いの励行など「新しい生活様式」の実践の徹底について、改めて周知する旨の訓示を行いました。また、市民の皆様に対しましても、同様の内容のメッセージを、市ホームページ等を通じて発出したところでございます。

 しかしながら、7月27日に2例目及び3例目として、本市小学校の教職員とその母親に感染が確認されました。当該教職員が勤務する小学校につきましては、翌28日から31日までを臨時休業とし、29日に専門業者による校舎及び体育館の消毒を行うとともに、28日から29日にかけて全ての教職員及び当該教職員が受け持っていた4、5、6年生児童全員のPCR検査を実施いたしました。その結果、30日に4例目、翌31日に5例目として、当該小学校児童の感染が確認されたことを受け、臨時休業期間を8月7日まで延長するとともに、31日から翌月1日にかけて1、2、3年生児童全員に対しましてもPCR検査を行い、8月2日に6例目の児童の感染が確認されたところでございます。

 感染が発生した小学校におきましては、学習指導員等の特別派遣や課題プリントの配布による学びの保障や、スクールカウンセラーの派遣による児童の心のケアなどに努めるとともに、全ての小中学校に対し、手洗いや消毒など感染防止策の徹底や部活動の制限、新型コロナウイルス感染症に関する差別や偏見をなくすための授業などを実施いたしました。
 その後も、8月4日に学童保育指導員2名の感染が確認されたのをはじめ、8月30日現在までに16例の感染者が確認されております。本市といたしましては、引き続き正確な情報発信や、感染者及びそのご家族のプライバシーへの格段の配慮等の呼び掛けを行うとともに、8月4日には、市民の皆様に対しまして、当面の間、不要不急の県外への外出自粛や、ご家族・ご親戚の本市への帰省や旅行をできる限り控えていただくよう緊急のお願いをさせていただきました。

 新型コロナウイルス感染症に関する政府の分科会によりますと、7月末が全国的な感染拡大のピークということでございますが、まだまだ予断を許さない状況が続いております。本市といたしましても、引き続き、感染拡大防止対策に万全を期すとともに、市民生活・地域経済回復との両立に向けても全力で取り組んでまいりますので、市民の皆様のご理解とご協力をよろしくお願いいたします。

 

 次に、最近の市政の動向について、ご報告申し上げます。

 例年、11月下旬ごろに流行が始まるインフルエンザの発病や重症化、まん延の防止と、子育て世帯の経済的な負担を軽減するため「こどもインフルエンザ予防接種費用の助成」を新たに実施いたします。

 

 また、新聞報道等でご存知かと思いますが、11月22日から23日に開催を予定されていた「令和2年八代妙見祭」につきましては、八代神社及び八代妙見祭保存振興会において、「先の豪雨で多くの方が被災され、今なお避難生活や復旧作業が続いていること、また、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、祭り関係者や観客の安全を優先すべき」との判断から、神事の一部のみ執り行うこととし、神幸行列をはじめとする関連行事については、中止とする決定がなされました。

 

 また、4月26日の開催予定から延期としておりました「第32回2020みなと八代フェスティバル」につきましても、実行委員会において関係機関・団体と協議を行いました結果、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、中止とすることに決定いたしました。いずれのイベントにつきましても、楽しみにされておられた皆様には、大変残念なお知らせでございますが、ご理解いただきたいと思います。

 

以上、「令和2年7月豪雨」ならびに「新型コロナウイルス感染症」に関する本市の対応状況等と、最近の市政の動向について、述べさせていただきました。
 

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