○八代市墓地等の経営の許可等に関する条例
平成24年3月30日
条例第5号
(目的)
第1条 この条例は、墓地、納骨堂及び火葬場(以下「墓地等」という。)の経営の基本原則を示すとともに、墓地等の経営の許可等に関し必要な事項を定めることにより、墓地等の経営の適正化を図り、もって公衆衛生の向上及び公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例における用語の意義は、墓地、埋葬等に関する法律(昭和23年法律第48号。以下「法」という。)の例による。
(経営の基本原則)
第3条 墓地等の経営を行う者は、墓地等を利用する者の安定的な利用に資するため、永続性及び非営利性を確保し、かつ、周辺の生活環境との調和に十分配慮しなければならない。
(墓地の設置場所の基準)
第4条 墓地を設置することができる場所の基準は、次に掲げるとおりとする。ただし、市長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるときは、この限りでない。
(1) 墓地を経営しようとする者が所有し、又は所有することが見込まれる土地(地上権、抵当権その他の墓地の経営に支障を来すおそれのある権利が設定されていない土地に限る。)内であること。ただし、墓地を経営しようとする者が地方公共団体であるときは、この限りでない。
(2) 住宅、学校、病院、店舗その他これらに類する施設(以下「住宅等」という。)の敷地から100メートル以上離れている場所であること。
(3) 河川、海又は湖沼からおおむね10メートル以上離れている場所であること。
(4) 飲料水を汚染するおそれがない場所であること。
(5) 主要な道路から支障なく往来できる場所であること。
(墓地の構造設備の基準)
第5条 墓地の構造設備の基準は、次に掲げるとおりとする。ただし、市長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるときは、基準の一部を緩和し、又は適用しないことができる。
(1) 墓地の外側から墳墓が見えないようにするための密植した樹木の垣根等を設けること。
(2) 雨水等の停滞を防止する排水設備を設けること。
(3) 砂利敷きその他の方法によるぬかるみを生じない構造を有する適当な幅員の通路を設けること。
(4) 給水場及び廃棄物集積場を設けること。
(5) 管理棟等の構造物を設ける場合にあっては、当該構造物の外観を周囲の景観と調和の取れたものとすること。
(墓穴の深さの基準)
第6条 埋葬をする場合にあっては、墓穴の深さは、2メートル以上を基準とする。
(納骨堂の設置場所の基準)
第7条 納骨堂を設置することができる場所は、納骨堂を設置しようとする場所が住宅等の敷地から50メートル以上離れている場所であることを基準とする。ただし、市長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるときは、この限りでない。
(納骨堂の構造設備の基準)
第8条 納骨堂の構造設備の基準は、次に掲げるとおりとする。
(1) 外壁及び屋根を耐火構造にすること。
(2) 床面をコンクリート、タイル、石等堅固な材料で築造すること。
(3) 内部設備に不燃材料を用いること。
(4) 出入口に施錠ができる構造であること。
(5) 換気設備を設けること。
(6) 納骨堂が独立した施設である場合にあっては、当該施設の外観を周囲の景観と調和の取れたものとすること。
(火葬場の設置場所の基準)
第9条 火葬場を設置することができる場所は、火葬場を設置しようとする場所が住宅等の敷地から200メートル以上離れている場所であることを基準とする。ただし、市長が公衆衛生その他公共の福祉の見地から支障がないと認めるときは、この限りでない。
(火葬場の構造設備の基準)
第10条 火葬場の構造設備の基準は、次に掲げるとおりとする。
(1) 外部と区画するための障壁又は垣根を設けること。
(2) 防臭及び防じんに関し十分な能力を有する火葬炉を設けること。
(3) 収骨を支障なく行える設備を設けること。
(4) 残灰庫を設けること。
(5) 施設の外観を周囲の景観と調和の取れたものとすること。
(経営の許可)
第11条 墓地等の経営をしようとする者は、法第10条第1項の規定による市長の許可(以下「経営の許可」という。)を受けなければならない。
2 市長は、経営の許可の申請があったときは、次条に規定する基準によりその内容を審査し、許可又は不許可の決定をし、当該申請をした者に通知するものとする。
(経営の許可の基準)
第12条 経営の許可をする基準は、次に掲げるとおりとする。
(2) 経営の許可に係る墓地等が次に掲げる墓地等のいずれかに該当すること。
ア 地方公共団体が設置し、経営しようとする墓地等
イ 市内に事務所を有する宗教法人が設置し、経営しようとする墓地等
ウ 墓地等の経営を行うことを目的として設立された公益財団法人が設置し、経営しようとする墓地等
エ 認可地縁団体(地方自治法(昭和22年法律第67号)第260条の2第7項に規定する認可地縁団体をいう。以下同じ。)が現に経営する墓地又は納骨堂を移転し、又は統合することを目的として設置し、経営しようとする墓地又は納骨堂
オ 認可地縁団体が市から譲与又は譲渡を受けて経営しようとする墓地
キ 災害の発生、公共事業の施工等により小規模な墓地を移転するとき、その他市長が必要があると認めるときに設置する小規模な墓地
ア 第17条の規定による届出
エ 第19条第5項の規定により指示をされた事項
(5) 経営の許可を受けようとする者と墓地等の周辺の地域に居住する者等との間に経営の許可に係る墓地等についての公衆衛生その他公共の福祉に関する紛争が認められないこと。
(変更等の許可)
第13条 墓地の区域若しくは納骨堂若しくは火葬場の施設の変更をしようとする者又は墓地等を廃止しようとする者は、法第10条第2項の規定による墓地の区域若しくは納骨堂若しくは火葬場の施設の変更に係る市長の許可(以下「変更の許可」という。)又は墓地等の廃止に係る市長の許可(以下「廃止の許可」という。)を受けなければならない。
(変更の許可の基準)
第14条 変更の許可をする基準は、次のとおりとする。
(3) 変更の許可を受けようとする者と墓地等の周辺の地域に居住する者等との間に変更の許可に係る墓地等についての公衆衛生その他公共の福祉に関する紛争が認められないこと。
(廃止の許可の基準)
第15条 廃止の許可をする基準は、改葬を完了していることとする。
(許可に付する条件)
第16条 市長は、経営の許可、変更の許可又は廃止の許可をする場合において、必要があると認めるときは、公衆衛生その他公共の福祉の見地から、必要な条件を付することができる。
(事前届出)
第17条 経営の許可の申請をしようとする者(墓地(第12条第2号オからキまでの規定のいずれかに該当することにより経営しようとする墓地及び寺院、教会等の既存の境内地に設置し、経営しようとする墓地に限る。)及び納骨堂(寺院、教会等の既存の境内地に設置し、経営しようとする納骨堂に限る。)の経営の許可の申請をしようとする者を除く。)又は変更の許可の申請をしようとする者(墓地(第12条第2号オからキまでの規定のいずれかに該当したことにより経営する墓地及び寺院、教会等の既存の境内地において経営する墓地を除く。)の区域の拡張並びに納骨堂(寺院、教会等の既存の境内地において経営する納骨堂を除く。)及び火葬場の施設の敷地の拡張を伴う増設に係る変更の許可の申請をしようとする者に限る。)は、経営の許可又は変更の許可の申請の前に市長への届出を行わなければならない。
(標識の設置)
第18条 前条の届出をした者(以下「事前届出者」という。)は、申請をしようとする経営の許可又は変更の許可に係る計画(以下「墓地等の経営等の計画」という。)の周知を図るため、墓地等の経営等の計画に係る土地の見やすい場所に標識を設置しなければならない。
2 事前届出者は、標識を設置したときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。
3 標識は、第21条第2項の規定による通知があった日まで設置しなければならない。
(説明会の開催等)
第19条 事前届出者は、墓地等の経営等の計画について周知を図るため、近隣住民等(規則で定める者をいう。以下同じ。)に対する説明会を開催しなければならない。
2 事前届出者は、説明会を開催した場合において、近隣住民等から公衆衛生その他公共の福祉の見地から考慮すべき意見、墓地等の構造設備と周辺の生活環境との調和に関する意見及び墓地等の造成工事又は建設工事の方法等に関する意見を聴く機会を設けなければならない。
3 事前届出者は、前項の意見について、期間を定めて受け付け、意見を述べた者に対して回答を行うものとする。
4 事前届出者は、説明会を開催したときは、市長にその概要の報告をしなければならない。
5 市長は、前項の報告があった場合において、墓地等の経営等の計画の周知が不十分であると認めるときは、事前届出者に対し、再度の説明会の開催その他必要な措置を講ずるよう指示することができる。
6 市長は、第2項の意見があった場合において、必要があると認めるときは、事前届出者に対し、墓地等の経営等の計画への当該意見の反映状況について報告を求めることができる。
(工事の着手の届出)
第20条 経営の許可を受けた者及び変更の許可を受けた者(以下「墓地等の経営者」という。)は、墓地等の工事に着手しようとするときは、あらかじめその旨を市長に届け出なければならない。
(工事の完了の届出等)
第21条 墓地等の経営者は、墓地等の工事を完了したときは、速やかに市長に届け出、その検査を受けなければならない。
3 墓地等の経営者は、前項に規定する通知がある前に墓地等の利用を始めてはならない。
(軽微な変更の届出)
第22条 墓地等の経営者は、墓地等の構造設備の変更(変更の許可を受ける必要がある変更を除く。)をしようとするときは、あらかじめ市長に届け出なければならない。
2 墓地等の経営者は、次に掲げる事項に変更があったときは、速やかに市長に届け出なければならない。
(1) 墓地等の名称
(2) 墓地等の経営者の氏名又は住所(墓地等の経営者が法人又は団体である場合にあっては、その名称、主たる事務所の所在地又は代表者の氏名)
(3) 墓地等の所在地の地番
(4) 墓地等の管理者の本籍、住所又は氏名
(5) 墓地の区画数又は納骨基数
(6) その他市長が必要と認める事項
(都市計画事業の認可等に伴う届出)
第23条 墓地又は火葬場を経営する者で法第11条の規定により都市計画事業の認可若しくは承認又は土地区画整理事業の事業計画の認可をもって経営の許可、変更の許可又は廃止の許可があったものとみなされるものは、当該認可又は承認があった後、速やかに市長への届出を行わなければならない。
(管理者の届出)
第24条 墓地等の経営者は、法第12条の規定により、墓地等に管理者を置くとともに、市長への届出を行わなければならない。
(経営者の講ずべき措置)
第25条 墓地等の経営者は、その経営に係る墓地等について次に掲げる措置を講じなければならない。
(1) 墓地等を常に清潔に保つこと。
(2) 倒壊し、又は倒壊するおそれがある墓石等について速やかに安全措置を講じ、又は墓石等の所有者に安全措置を講ずることを求めること。
(3) 老朽化し、又は破損した墓地等の構造設備について必要な修復等を行うこと。
(立入調査)
第26条 市長は、この条例の実施に必要な限度において、当該職員に、墓地等の予定地又は墓地若しくは納骨堂に立ち入り、その施設の帳簿、書類その他の物件を調査させることができる。
2 前項の規定により立入調査をする当該職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係者の請求があったときは、これを提示しなければならない。
3 第1項の規定による立入調査の権限は、犯罪捜査のために認められたものと解してはならない。
(委任)
第27条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
(施行期日)
1 この条例は、平成24年4月1日から施行する。