○八代市商工業振興基本条例

平成21年6月22日

条例第39号

商工業は、八代市の主要な産業のひとつであり、これまで市民生活の利便性向上や賑わいの創出に深く寄与するとともに、地域社会における歴史や文化と密接な関係を有してきた。

現下、経済情勢の変動や企業活動環境の変容により八代市の商工業の活力が失われつつあり、その影響は市民生活の全般に及んでいる。

八代市は、豊かな農林水産物を産するとともに、日奈久温泉、水島、五家荘をはじめとする趣ある観光資源を有するまちであり、また、八代港、九州新幹線、九州自動車道が連絡する交通と交流の要地である。これらの利点を生かし、商工業に活力を取り戻すとともに、豊かさと賑わいのあるまちづくりを進めることが求められている。

このような認識の下、商工業の振興に対する基本理念と関係者の役割を規定し、相互の協力による更なる飛躍を図るため、この条例を制定する。

(目的)

第1条 この条例は、本市の商工業の振興に関する基本理念を定めることにより、市、商工業者、商工団体等の役割を明らかにするとともに商工業の持続的な発展を促進し、もって地域経済の活性化に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 商工業者 商工会議所法(昭和28年法律第143号)第7条第1項に規定するものをいう。

(2) 商工団体 商工会議所法に規定する商工会議所、商工会法(昭和35年法律第89号)に規定する商工会その他これらに類する団体をいう。

(3) 商店会 商店街振興組合法(昭和37年法律第141号)に規定する商店街振興組合、中小企業等協同組合法(昭和24年法律第181号)第3条第1号に規定する事業協同組合その他これらに類する団体をいう。

(4) 商店街 小売商業等が集積している地域をいう。

(5) 大型店 大規模小売店舗立地法(平成10年法律第91号)第2条第2項に規定する大規模小売店舗をいう。

(基本理念)

第3条 商工業の振興の基本理念は、次のとおりとする。

(1) 商工業者自らの創意工夫及び自助努力の下、商工業者、商店会、商工団体及び市の協働によることを基本とし、市民の理解及び協力を得ながら行うものであること。

(2) 本市の特性を生かすことにより、地域経済の活性化及び発展に寄与するものであること。

(市の役割)

第4条 市は、前条の基本理念にのっとり、国、県その他関係機関と協力して商工業の振興に関する施策を総合的に推進するとともに、商工業者の取組を積極的に支援するよう努めるものとする。

2 市は、商工業の振興に関する基本的な施策として、次に掲げる事項を実施するものとする。

(1) 商工業の経営基盤の安定化に関すること。

(2) 商工業の人材育成の支援及び雇用の安定化に関すること。

(3) 商工業の振興に関する情報の収集及び提供に関すること。

(4) 商工業者の円滑な資金調達の支援に関すること。

(5) 商工業者の進出等に伴う地元住民の生活環境への配慮に関すること。

(6) 商工業の振興に資する起業の支援及び企業立地の促進に関すること。

(7) 観光資源を生かした観光振興に関すること。

(8) 商店街の活性化に関すること。

(商工業者の役割)

第5条 商工業者は、第3条の基本理念にのっとり、経営の改善、経営基盤の強化、快適な職場環境の実現、福利厚生の充実、人材育成等に努めるとともに、市民の生活環境の保全並びに消費生活の安定及び安全に配慮するものとする。

2 商工業者は、市内で生産される農林水産物、工業製品等を積極的に利用するよう努めるものとする。

3 商工業者は、商工団体に自ら加入し、あわせて国、県、市又は商工団体が行う商工業の振興のための施策に積極的に参加するよう努めるものとする。

4 商店街において事業を営む商工業者は、商店会へ加入し、商店会主催の施策へ参加する等商店街の活性化に協力するよう努めるものとする。

5 大型店を営む者は、市内で商工業を営む者の一員として、前各項に定めるもののほか、当該大型店に求められる社会的責任を認識するとともに、地域に貢献するための必要な措置の実施に努めるものとする。

(商工団体の役割)

第6条 商工団体は、第3条の基本理念にのっとり、商工業者を支援し、及び本市における商工業の総合的な改善発達を図ることにより、本市の活性化に貢献するよう努めるものとする。

2 商工団体は、商工業者及び新たに商工業者となろうとする者の商工団体への加入を自ら積極的に促すことにより、会員の増加に努めるものとする。

3 商工団体は、会員相互の関係強化を促し、あわせて他の団体との連携を図ることにより、本市の商工業の振興に努めるものとする。

4 商工団体は、国、県又は市が行う商工業の振興のための施策に積極的に参画するよう努めるものとする。

(商店会の役割)

第7条 商店会は、第3条の基本理念にのっとり、商店街が地域の核であることを認識し、市民の交流の場としての商店街の賑わいを創出し、及びその活性化に努めるものとする。

2 商店会は、商工業者及び新たに商工業者となろうとする者の商店会への加入を自ら積極的に促すことにより、組織の強化を図るものとする。

3 商店会は、会員相互の関係強化を促し、あわせて他の商店会及び商工団体との連携を図ることにより、商工業の活性化に努めるものとする。

4 商店会は、国、県、市又は商工団体が行う商工業の振興のための施策に積極的に参画するよう努めるものとする。

(市民の理解及び協力)

第8条 市民は、自らの活動が地域経済に影響を及ぼすことを認識し、地域における商工業の振興が地域経済の活性化及び発展に寄与することとなることを理解するとともに、地域社会の活性化のため商工業の振興に協力するよう努めるものとする。

(委任)

第9条 この条例に定めるもののほか、必要な事項は、市長が別に定める。

この条例は、公布の日から施行する。

八代市商工業振興基本条例

平成21年6月22日 条例第39号

(平成21年6月22日施行)