○八代市公害防止条例

平成17年8月1日

条例第208号

目次

第1章 総則(第1条―第7条)

第2章 工場等に関する規制(第8条―第19条)

第3章 指定建設作業に関する規制(第20条・第21条)

第4章 その他の規制(第22条―第25条)

第5章 雑則(第26条―第32条)

第6章 罰則(第33条―第37条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、法令に特別の定めがあるものを除くほか、公害の防止に関し必要な事項を定めることにより、市民の健康を保護するとともに、生活環境の保全を図り、もって市民の福祉の増進に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において「公害」とは、事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染、水質の汚濁(水質以外の水の状態又は水底の底質が悪化することを含む。以下同じ。)、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下(鉱物の掘採のための土地の掘削によるものを除く。以下同じ。)及び悪臭によって、人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることをいう。

2 この条例にいう「生活環境」には、人の生活に密接な関係のある財産並びに人の生活に密接な関係のある動植物及びその生育環境を含むものとする。

3 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。

(1) 指定施設 工場又は事業場(以下「工場等」という。)に設置される施設のうち、ばい煙、粉じん、有害ガス、汚水、騒音、振動、地盤の沈下及び悪臭(以下「ばい煙等」という。)を発生し、又は排出する施設で規則で定める施設

(2) 指定建設作業 建設工事として行われる作業のうち、著しい騒音又は振動を発生する作業であって規則で定める作業

(3) 規制基準 指定施設又は指定建設作業において発生し、又は排出されるばい煙等の量、濃度又は程度(以下「量等」という。)の許容限度

(4) 法定施設 工場等に設置される施設のうち、大気汚染防止法、水質汚濁防止法その他公害防止関係法令及び熊本県生活環境の保全等に関する条例の規定により設置、構造変更等について、熊本県知事に届出を要する施設

(5) 法定基準 法定施設に係るばい煙等の量等について法令及び熊本県条例で定められている許容限度

(市長の責務)

第3条 市長は、第1条の目的を達成するために、公害の防止に関する施策を実施しなければならない。

(事業者の責務)

第4条 事業者は、事業活動に伴って生ずる公害を防止するため、その責任において、必要な措置を講ずるとともに市長が実施する公害の防止に関する施策に協力する責務を有する。

(市民の責務)

第5条 市民は、市長が実施する公害の防止に関する施策に協力する等公害の防止に寄与するよう努めなければならない。

(指定施設及び規制基準等)

第6条 市長は、法令及び熊本県条例で定めるもののほか、公害を防止するために、指定施設、指定建設作業及び規制基準を規則で定めることができる。

2 市長は、前項の指定施設、指定建設作業及び規制基準を定めるに当たっては、八代市環境審議会(以下「審議会」という。)の意見を聴かなければならない。

(規制基準の遵守義務)

第7条 ばい煙等を発生し、又は排出する者及び指定建設作業を伴う建設工事を施工する者は、前条第1項の規定により定める規制基準を遵守しなければならない。

第2章 工場等に関する規制

(指定施設の設置の届出)

第8条 指定施設を設置しようとする者は、あらかじめ規則で定めるところにより、次に掲げる事項を市長に届け出なければならない。

(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

(2) 工場又は事業場の名称及び所在地

(3) 指定施設の種類

(4) 指定施設の構造

(5) 指定施設の使用の方法

(6) ばい煙等の処理の方法

(7) 前各号に定めるもののほか、規則で定めるもの

(経過措置)

第9条 一の施設が指定施設となった際現にその施設を設置している者(設置の工事をしている者を含む。)は、当該施設が指定施設となった日から30日以内に規則で定めるところにより前条各号に掲げる事項を市長に届け出なければならない。

(指定施設の構造等の変更の届出)

第10条 第8条又は前条の規定による届出をした者は、その届出に係る第8条第4号から第7号までに掲げる事項の変更をしようとするときは、規則で定めるところにより、その旨を市長に届け出なければならない。

(指定施設の計画変更命令等)

第11条 市長は、指定施設について第8条又は前条の規定による届出があった場合において、ばい煙等の量等が規制基準に適合しないと認めるときは、その届出を受理した日から60日以内に限り、その届出をした者に対し、その届出に係る指定施設に関する計画についての変更又は廃止を命ずることができる。

(実施の制限)

第12条 指定施設について第8条又は第10条の規定による届出をした者は、その届出が受理された日から60日を経過しなければ、それぞれの届出に係る指定施設に関する計画を実施してはならない。

2 市長は、第8条又は第10条の規定による届出に係る事項の内容が相当であると認めるときは、前項に規定する期間を短縮することができる。

(氏名の変更等の届出)

第13条 第8条又は第9条の規定による届出をした者は、その届出に係る第8条第1号若しくは第2号に掲げる事項に変更があったとき、又はその届出に係る指定施設の使用を廃止したときは、その日から30日以内にその旨を市長に届け出なければならない。

(承継)

第14条 第8条又は第9条の規定による届出をした者からその届出に係る指定施設を譲り受け、又は借り受けた者は、当該届出をした者の地位を承継する。

2 第8条又は第9条の規定による届出をした者について相続又は合併があったときは、相続人又は合併後存続する法人若しくは合併により設立した法人は当該届出をした者の地位を承継する。

3 前2項の規定により第8条又は第9条の規定による届出をした者の地位を承継した者は、その承継があった日から30日以内にその旨を市長に届け出なければならない。

(改善命令等)

第15条 市長は、指定施設において規制基準に適合しないばい煙等を継続して発生し、又は排出するおそれがあるときは、当該ばい煙等を発生し、又は排出する者に対し、期限を定めて指定施設の使用の方法若しくはばい煙等の処理の方法若しくは配置の変更又は構造の改善等を勧告することができる。

2 市長は、前項の規定による勧告を受けた者が当該勧告に従わない場合には、当該指定施設の改善又は使用の一時停止を命ずることができる。

3 前項の規定は、一の施設が指定施設となった際現にその設置をしている者(設置の工事をしている者を含む。)の当該施設において発生し、又は排出するばい煙等については、当該施設が指定施設となった日から6箇月間(規則で定める施設にあっては2年以内)は、適用しない。

(指定物質に関する事故時の措置)

第16条 工場等を設置している者は、施設の故障、破損その他の事故により、規則で定める物質(以下「指定物質」という。)が多量に排出されたときは、直ちに、その事故について応急の措置を講じ、市長に届け出るとともに、その事故を速やかに復旧するように努めなければならない。

2 前項の規定により届出をした者は、その届出に係る事故について復旧を完了したときは、速やかにその旨を市長に届け出なければならない。

3 市長は、第1項に規定する事故が発生した場合において、当該指定物質の排出により、市民の健康又は生活環境に被害を及ぼし、又は及ぼすおそれがあると認めるときは、当該工場等を設置している者に対し、その事故の拡大又は再発の防止のため必要な措置をとるべきことを勧告し、又は命ずることができる。

(異常気象等の発生時の措置)

第17条 市長は、濃霧の発生、異常渇水の継続等特別の事情の発生により、ばい煙等の発生又は排出が、市民の健康又は生活環境に被害を及ぼし、又は及ぼすおそれがあると認めるときは、工場等を設置している者に対し、必要な措置をとるべきことを勧告し、又は命ずることができる。

(法定施設及び特定施設の届出等)

第18条 法定施設及び指定物質を貯蔵し、使用し、又は発生する施設で規則で定める施設等(以下「特定施設」という。)の設置、構造の変更等については、市長に届け出なければならない。

2 第8条第9条第10条第13条及び第14条の規定は、法定施設及び特定施設の届出について準用する。

(法定施設及び特定施設についての勧告)

第19条 市長は、法定施設において法定基準に適合しないばい煙等を継続して発生し、又は排出したとき、若しくはそのおそれがあるとき、及び特定施設において、指定物質を多量に排出するおそれがあるときは、関係行政機関に通告するとともに、当該施設を設置している者に対し、その事態の改善について勧告することができる。

第3章 指定建設作業に関する規制

(指定建設作業の実施の届出)

第20条 指定建設作業を伴う建設工事を施工しようとする者は、当該指定建設作業の開始の日の7日前までに、規則で定めるところにより、次に掲げる事項を市長に届け出なければならない。ただし、災害その他非常の事態の発生により、指定建設作業を緊急に行う必要があるときは、この限りでない。

(1) 氏名又は名称及び住所並びに法人にあっては、その代表者の氏名

(2) 建設工事の目的に係る施設又は工作物の種類

(3) 指定建設作業の場所及び実施の期間

(4) 騒音の防止の方法

(5) 前各号に定めるもののほか、規則で定めるもの

2 前項ただし書の場合において、当該建設工事を施工する者は、速やかに、同項各号に掲げる事項を市長に届け出なければならない。

(指定建設作業に係る改善命令等)

第21条 市長は、指定建設作業に伴って発生する騒音が規制基準に適合しないときは、当該建設作業を施工する者に対し、期限を定めてその事態を除去するために必要な限度において、騒音の防止方法の改善又は指定建設作業の作業時間を変更すべきことを勧告し、又は命ずることができる。

第4章 その他の規制

(畜舎の管理)

第22条 畜舎を設置する者は、畜舎その他附帯施設を整備し、汚物、汚水の処理について適切な措置を講じ、常に善良な管理を実施して悪臭その他の公害及びハエ等の昆虫を発生させてはならない。

(車両の管理)

第23条 自動車(道路運送車両法(昭和26年法律第185号)第2条第2項及び同条第3項に規定する自動車及び原動機付自転車をいう。)を使用する者及び所有する者は、適正な運転、必要な整備並びに装置の取り付け等により、自動車等から発生する排出ガス及び騒音を構造上やむを得ない限度にとどめるようにしなければならない。

(焼却不適物の焼却禁止)

第24条 何人も住居が集合している地域において、みだりにゴム、皮革、合成樹脂、廃油その他燃焼に伴って著しいばい煙、有害ガス又は悪臭を生ずる物を多量に焼却してはならない。

(規制基準のない公害に対する勧告等)

第25条 市長は、規制基準又は法定基準の定めがないばい煙等により、現に公害が発生していると認めるときは、当該公害に係るばい煙等を発生し、又は排出している者に対し、公害を防止するために必要な措置をとるべきことを勧告し、又は命ずることができる。

第5章 雑則

(報告及び立入検査)

第26条 市長は、この条例の施行に必要な限度において、工場等を設置している者に対し、指定施設、法定施設又は特定施設の状況、ばい煙等の処理の方法、その他必要な事項に関し、報告を求め、又は職員に当該工場等に立ち入り、施設その他の物件を検査させることができる。

2 前項の規定により立入検査をする職員は、その身分を示す証明書を携帯し、関係人の請求があったときは、それを提示しなければならない。

(調査の請求)

第27条 公害を受け、若しくは受けるおそれがある者又は公害を発生若しくは発生させるおそれがある者は、その状況等について市長に調査の請求をすることができる。

2 市長は、前項の規定による調査の請求があったときは、その状況等を調査し、その結果を当該請求者に通知するものとする。

(調査結果の公表)

第28条 市長は、ばい煙等による大気汚染、水質汚濁、騒音その他の公害について調査をしたときは、その結果を公表しなければならない。この場合において、法令又は条例の規定に違反して著しく公害を発生させている者があるときは、その者を明らかにすることができる。

(苦情の処理)

第29条 市長は、市民の公害に関する苦情について関係行政機関と協力して、適切な処理に努めなければならない。

(中小企業者に対する援助)

第30条 市長は、中小企業者が行う公害の防止のための施設の整備等について、必要な資金のあっせん、その他の措置を講ずるように努めなければならない。

(公害防止協定)

第31条 市長は、公害の防止のため必要があると認めるときは、審議会の意見を聴いて、事業者と公害防止協定を締結することができる。

2 事業者は、市長から前項の協定締結について求めがあったときは、これに応じなければならない。

(委任)

第32条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

第6章 罰則

第33条 第11条又は第15条第2項の規定による命令に違反した者は、1年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処する。

第34条 第16条第3項第17条又は第21条の規定による命令に違反した者は、5万円以下の罰金に処する。

第35条 次の各号のいずれかに該当する者は、3万円以下の罰金に処する。

(1) 第8条第9条第10条(これらの規定を第18条第2項において準用する場合における指定施設の設置の届出、経過措置及び指定施設の構造等の変更の届出に係るものを含む。)第16条第1項又は第20条第1項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者

(2) 第12条の規定に違反した者

(3) 第25条の規定による命令に違反した者

(4) 第26条第1項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をし、又は同項の規定による検査を拒み、妨げ、若しくは忌避した者

第36条 法人の代表者又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関し、前3条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人又は人に対して各本条の罰金刑を科する。

第37条 第13条第14条第3項(これらの規定を第18条第2項において準用する場合における氏名の変更等の届出及び承継に係るものを含む。)又は第16条第2項の規定による届出をせず、又は虚偽の届出をした者は、2万円以下の罰金に処する。

(施行期日)

1 この条例は、平成17年8月1日から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の日の前日までに、合併前の八代市公害防止条例(昭和47年八代市条例第1号)の規定によりなされた処分、手続その他の行為は、この条例の相当規定によりなされたものとみなす。

3 この条例の施行の日の前日までにした行為に対する罰則の適用については、なお従前の例による。

八代市公害防止条例

平成17年8月1日 条例第208号

(平成17年8月1日施行)

体系情報
第9編 生/第9章 公害防止
沿革情報
平成17年8月1日 条例第208号