平成２７年２月２３日（月）
国内の景気の動向に目を向けますと、安倍内閣が進める「アベノミクス」の取り組みによりまして、デフレからの脱却と景気回復に向けた糸口をつかみつつあります。消費税増税による景気の落ち込みはありましたものの、内閣府が先週発表した、昨年１０月から１２月までの実質ＧＤＰの速報値は、３四半期ぶりにプラス成長に転じ、日本経済を再生するために、今が正に正念場であります。
また、地方におきましても、人口減少や高齢化、グローバル化への対応の遅れなど、中長期的な課題を抱えており、特に人口減少に対応する「地方創生」の取り組みは、待った無しの状況にあります。
本市におきましても、昨年末の高齢化率は３０．６％であり、医療や介護、年金などの社会保障費の増大が将来に亘って懸念されますとともに、団塊の世代が７５歳に達する、いわゆる「２０２５年問題」への対応が、喫緊の課題となっており、「国立社会保障・人口問題研究所」の将来推計によりますと、２０４０年には、本市の人口が現在より４万人減少し、約９万人になるとの厳しい推計がなされております。こうした厳しい環境を乗り越え、「市民一人ひとりが住み慣れた地域で夢を持ち、誇りに満ちた暮らしをおくる」ためには、私も含め 職員が一丸となって、直面する課題の解決に向けて知恵を絞り、本市の強みを生かした施策を展開していくことが必要です。
八代市は、本年８月に、合併して１０周年の節目を迎えます。本市が２０年後、５０年後まで発展し続けるためには、今がその「礎」を築く大切な時であります。合併１０周年を迎えるにあたり、新八代市の「まちづくり」に尽力された多くの方々に感謝するとともに、今後の本市の発展に向け、市議会並びに市民の皆様と一緒になって、全力で取り組んで参ります。そのためにも、まずは、「市長八策」の実現に向けて実施しております事業の一つひとつを、着実に展開することが重要であると考えており、そういう意味でも、平成２７年度を「八策実現に向けた事業展開の年」と位置付けるところでございます。その中でも、南九州における人流・物流拠点の構築に向けた「八代港の更なる振興」をはじめ、本市の豊富な農産物を生かした「フードバレーやつしろ基本戦略構想」の推進、来年、ユネスコ世界遺産への登録が見込まれる「八代妙見祭」の振興など、本市の地理的優位性や魅力、地域資源を活用した取り組みに力を入れてまいります。
また、国・地方共通の重要課題である「地方創生」につきましては、今後の本市における取り組みを着実に進めるために、八代版「まちひとしごと総合戦略」の策定を進めることとしております。安倍首相は、今月１２日の「施政方針演説」において、「熱意ある地方の創意工夫を 全力で応援する。それこそが安倍内閣の地方創生である」と言われており、私も、これからの「まちづくり」は、自分たちの「街」のことをよく知る私たち自身が自ら考え、責任を持って課題に挑戦していくことが、日本全体の活力に繋がるものと確信しております。今後も、国の動きを追い風とし、従来の考え方や施策のみにとらわれることなく発想の転換を図り、「子育てのしやすい環境づくり」をはじめとして、人口減少の抑制と地方創生に向け、各種施策に取り組んでまいります。
そのための取り組みの一つとして、新年度より、「こども医療費助成」の対象を、これまでの小学３年生から６年生へ拡充するとともに、第三子以降の保育料無料化など、子育て世帯の負担軽減に、積極的に取り組むこととしております。
また、市民に分かりやすく簡素で効率的な組織を目指すとともに、市民サービスの向上と新たな行政課題に対応できる体制づくりを行うため、大幅な組織の再編を行います。
その主な内容としましては、指揮命令の明確化と迅速化を図るため、「総務部」を再編するとともに、防災面の強化と全庁的な危機発生に対処するため「危機管理課」を設置します。
また、普通交付税の段階的削減や「ファシリティマネジメント」の導入を見据え、財務部門の強化として「財務部」を設置するとともに、政策担当部署を各部に設置し、政策・施策の着実な推進と組織の横断連携の強化を図ります。
この他、「市長八策」の実現に向けた農商工部門の強化と業務の効率化を図るため、商工観光部門に文化・スポーツ部門を集約し、「経済文化交流部」を設置するとともに、市民生活に直結する部門の一元化として、「市民環境部」を置くこととしております。
以上 市政運営にあたりまして、私から市民の皆様へのご報告とさせていただきます。